今春の都知事選が面白くなりそうである。3月22日告示で4月8日投票のため立候補準備は2月末がリミットであろう。
石原慎太郎現知事は前回2003年春は、記録的な得票率を誇った。しかし、その後の4年間は政策的にはみるべきものがなく(新銀行のように新たな赤字を生むものも)週数日の出勤状況、豪華な海外出張、高額な接待、乱暴な側近の重用、身内ひいきの疑惑のため一般マスコミも問題を厳しく報道するようになった。この間の経過では、情報開示制度を活用した共産党の役割は大きい。2月中旬で立候補を名乗りあげたのは、石原氏のほか、元足立区長の吉田万三氏であった。民主党は候補者擁立を模索するも断られ、吉田氏との話し合いがなされた様子はない。
このような中、2月下旬にこれまで保守的文化人とみられてきた黒川紀章氏が、「オリンピック反対」も掲げ立候補を表明した。一方石原氏は自民党の推薦を辞退し、自民党も受諾するという状況である。
これらの経過は、格差や貧困問題の拡大という状況のなかで、さすがに石原氏も、それを支える保守勢力も行き詰まり、対応に分裂が生じるだけでなく、保守の代替知事候補まで検討されつつあることを示唆するのではないか。石原氏側は、これを「無党派」性アピールにより乗り越えようとあがいているように感じる。
本サイトでは、無党派の役割をめぐって、丸楠夫氏と原仙作氏を中心とした活発な論争がなされている。私は、民主党への評価に若干の違和感を覚えつつも、原氏の戦略を支持するものである。そこで、提案なのだが、都知事選を中心に、無党派の力を活憲の立場での結集を目指す実践をそれぞれに行い、論議の成果を都民・国民生活の向上と平和に役立ててはどうであろうか?
「無党派」候補が単なるガス抜き、保守勢力の姿を変えた受け皿(黒川氏や宮崎県の東国原知事にはその危険性)にさせない、積極的な取組が求められるであろう。
PS:11月に続いて国会野党が共闘する参院沖縄選挙区補選も注目される。