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温家宝総理の論理

2007/4/14 灯台守 60代 自営業

 日本を訪れた中国の温家宝総理が、国会で演説をした。戦争責任は、一部の戦争指導者の問題で、国民多数は被害者であるとした。喜んでよいとは思われない。ひねくれて言うつもりはない。一つは、指導者と多数の国民を分けた点だ。もう一つは、戦争席の責任を確認した点だ。一つ目は、階級意識によっている。二つ目は、儒教倫理である。最初に儒教倫理について論じたい。儒教は、広大な農耕地帯に起こった、大家族生活に範を置いている。大家族の家父長的秩序の規範である。この規範を国家に押し広げたのが儒教である。独裁専制制度である。更に此れを天下にまで広げて中華思想になった。

 階級制度を標榜する中国共産党とは、この独裁制と言う共通点があり、よく調和が取れている。漢字文化は、古典を抜きには成立たない。古典と教材を元に、漢字は教育される。中国は、日本とは異なり、マルキシズムと儒教と言う二つの理念を持った、“理念”国家である。マルキシズム国家は良く知られた“国際連帯”と言う思想もある。本来此れは国家を否定するところにあるはずであるが、儒教は、国家主義の強力な体制である。国家主権がある上に、国際連帯政策と言うのは、ある種の謀略性を持つ事になる。日本共産党が国際連帯を言うとき、国家と国民を分離できるとは思わない。温家宝総理の論理は国家と国民を分離して発言したが、民主主義の国家指導者は国民を代表していることを忘れてはならないだろう。

 東京裁判、国連敵国条項は国家としての“かせ”となっているが、日本人の国際的評価としての“好戦性”を表明する材料として、アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国朝鮮では、重要な材料となっていることを忘れては成らない。アメリカ下院で審議されている“慰安婦問題”も、性格は似ている。アメリカ、中国、ヨーロッパの新しい支配体制構築の謀略でないことを祈るばかりだ