赤旗日刊紙・5月1日号に気になる記事があったので、 「さざなみ」に書こうと思う。
連載・『日本共産党 知りたい 聞きたい』がそれである。 その記事を引用しつつ、私見を記したい。
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〈問い〉参院選に向けて「9条ネット」という団体が動いてい ます。どんな団体なのですか?
〈答え〉「9条ネット」とは、ことし2月に「憲法擁護」を看 板にして、参院選にむけて立ち上げられた政治団体です。しか し、その実態は新社会党委員長らを国会に送ろうという運動団 体です。
(中略)
日本共産党は、昨年5月20日付「しんぶん赤旗」に「参院 選での『平和協同候補』を求める運動について」という論文を 掲載しました。そこでは「市民運動」を名乗るこの運動が、新 社会党の応援団ではないのかということを率直に指摘しました 。また、日本国憲法を守るということを強調しながら、そのた めに必要な憲法擁護のたたかいの輪を広げることではなく、問 題を国政選挙の「選挙共闘」に矮小化し、「市民運動」にある まじき策略的な手口ろうしていることなどを批判しました。
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これを読んでまず感じたのは、憲法がここまで追いつめられ
、国民を
支配・管理する道具へと変質させられるギリギリの所にいま、
わたしたちは在る、という現状認識を党中央はどうとらえてい
るのか、という疑問である。
党中央が、演説なり、声明なりで必ずと言っていいほど使う
のは、「9条の会」の広がりである。使い方は、9条の会のよ
うな草の根が広がっているから、そう悲観することもない、と
言いたいとき。
そこまで9条の会に党が甘えていていいのだろうか?
ご存じのように、9条の会は、党は若干の関わりはあろうが
、会員は支持政党も異なる玉石混交の連合体であって、党の後
援会でも何でもないのである。
今度の参院選は、9条・憲法が争点である。
従来の選挙と違って、(ここが共産党の一番悪い所だが)敗
北を喫した場合、票数を伸ばした・健闘した・次のたたかいへ
の足場が築けた、などの、身内で傷をなめあう、悠長なことは
言ってられない選挙なのだ。
共産党には、悲観的になれと言っているのではない。この参 院選は未来のあり方を大きく決するターニングポイントなのだ から、もっと緊張感を持って欲しいと願う。
次にびっくりしたのは、『 また、日本国憲法を守るという
ことを強調しながら、そのために必要な憲法擁護のたたかいの
輪を広げることではなく、問題を国政選挙の「選挙共闘」に矮
小化し、「市民運動」にあるまじき策略的な手口ろうしている
ことなどを批判しました。』の所である。
党は、他党を徹底的に批判して、共産党だけが憲法の守り手
である、共産が伸びるしかない、と訴えている。
志位委員長は、インタビューで、今度の参院選での目標議席
を、比例の5、東京・神奈川・愛知など選挙区で6,計11議
席と答えている。(5/9 東京新聞 より引用)
(私は、選挙区で、接戦になるのは大阪だけだと見ている。
)
仮に目標を達成すれば、共産党的には大勝利だろう。しかし
、改憲を止めるたたかいの戦場は、国会である。参院・改選数
の1割にも届かない。今の自公を見ていれば、党が上げ潮にな
り、自公完敗の場合でも、主張の異なるものは、単純に無視す
るだけである。教育基本法の時に痛感させられたが、審議の内
容がいかに空疎であっても、どんなに道理がなくても、自公は
与党が自ら決めたシナリオ通りに、事を進めていく。自公議員
に民主主義や、人としての当たり前の誠実性を求めたところで
無駄なのである。
国会で、改憲反対の一致点で他党とも共闘しなくてはならな
いのだから、選挙前から大まかな枠組みを提示した方が、国民
の支持も集まりやすいだろう。
議員の選出方法が非民主的と言っても、その土俵のルールに
従って、改憲反対を公約にに掲げる議員を一人でも多く国会に
送りたい。そして、改憲派を国会から一人でも多く、引きずり
出したい。
共倒れを防ぎ、死票を出来るだけ少なくするためには、選挙
共闘という作戦は必要不可欠だと強く思う。それを市民運動団
体が口にするとは言語道断、とは前述の記事。
記事の後段にはこのようなことが書かれています。
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「9条ネット」と新社会党は、先の都知事選で浅野氏を支援
しました。浅野
氏は、改憲勢力である民主党が支援した候補者であり、マニフ
ェストにも「憲法」の言葉がなかったことは周知のことです。
新社会党は、「部落解放同盟」と密接な関係があります。
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新社会は解同、社民は民主と選挙協力するから、と国会の第
三極の構築には全く動かない共産。
そんなに強くないのに、内輪もめばかりして潜在的な護憲派
国民を怒らせ、じらせ、イライラさせてばかりでは、投票所に
足を運ぶのが億劫になる有権者を増やすのでは?
政治とカネだけが、政治不信の原因ではない。
憲法が変われば、何も持たない多数の国民に、どんな災厄が
降って掛かってくるか分からない。
そんな庶民のことを考えるよりも、小異にこだわりけんかば
かり、大同団結できない政党が、支持を得られる訳がない。(
共産だけに言っているのではないが…)
お家騒動で醜態さらす候補たちより、生活を苦しくさせてい
る張本人の方がマシに見え、石原が当選したのかも…(書いて
る内に、こういう考え方をした人が多かったのでは?なんて思
えてきた)
9条守れ・改憲反対の声を一手に引き受け、党勢拡大・党の
組織防衛に活用したい、と いう下心があるから純粋に、改憲
反対とは言えないのではないか、という個人的な疑問が湧いて
くる。
国家・国民を全体的に見るのではなく、党中央の利益、とい
う下敷きを敷いて、選挙戦略を練っているように見えてならな
い。
みな欠点があって当たり前。他党の欠点が見えて仕方ないの
かも知れないが、憲法を守ることに比べたら、大抵のことは許
せると思うのだけれども。
社民・民主のアラ探しばかりするんじゃなく、憲法改悪阻止
のため、知恵を出し、力を尽くそうではありませんか。共産党
の凋落も、そうすることで上昇カーブに転じると確信しており
ます。