私は主に共産党が、憲法改悪をさせない一点で、他党派と共闘するように、この「さざなみ」で求めてきた。告示一ヶ月前を過ぎ、社民党の動きもあわただしさを増してきたようである。
社民党独自候補(選挙区)の擁立が、現在までに続々と決定されている。
これは、いったい何を表すのだろうか。その選挙区に立候補予定の民主党議員が、社民が看過出来ないほどの右寄りなのか?存在感の誇示・比例票を見越したことなのか?
さざ波投稿者の千坂氏もこの成り行きに失望しているのではなかろうか。(「現状分析と対抗戦略」欄、参院選の民衆派勝利をめざして提案私案 2007/4/28 千坂史郎氏)
憲法改悪・戦前への回帰を押しとどめるには、今回の参院選で、安倍首相はじめ閣僚17人中15人が、右翼の総本山・日本会議や新しい歴史教科書を作る会に関わりのある、赤旗言うところの『靖国派』にまずは退場してもらうことである。(靖国派の数字は、松岡農相自殺前の赤旗より)
それと同時に、取り組むべき事は、改憲を発議出来ないようにするために最も確かな方法・護憲派が1/3の議席を獲る、という目標を持った行動だと思う。
護憲共闘について、どちらかと言えば非があるのは共産の方かと思っていたが、社民も独自路線の方に舵を取ったのか。
自民の計画がスムーズにいけば、次回の参院選は、憲法を懸けたギリギリの天下分け目の闘いになる。今回・次回とで、参院の1/3の議席を確保するためには、共産と社民はすでにロードマップを作っていて当然だろうに、スタート地点はもとより、集合場所にさえ来ていないという有様で、私はドアのない部屋で軟禁されているかのような窒息感・虚無感に襲われる。
まず最悪の内閣を退陣させること。そして護憲をベースにした、二大政党と互角に渡り合える第三極の形成に向けた努力を、惜しまずに進めること。
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「改憲政党の議員をあわせて、たとえ衆参それぞれの総議員の2/3を超えようと、すぐ発議できるわけではありません。」
「国会の数の上で必要条件を満たしていようと、発議させないような、ゆるぎない国民の多数派がつくれるかがカギです」
「実際、九条改憲に向けた条件づくりの手続き法の段階でさえ、それを望まない国民の世論と運動があったからこそ、改憲派の予定を一年近くも遅らせてきました。」
「国民にとって発議を許さないとは、その一つ一つをくじき、先に進ませないたたかいなのです。」
2007.6.12 赤旗・日刊紙
新局面の憲法対決 笠井憲法部会長に聞く より引用
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上の記事を読んで、まだ勝負が始まってもいないのに、先に敗戦の言い訳を聞かされてるような気になった。
前回の衆院選だったか、参院選だったか、選挙結果総括で、「党勢が落ちていた」と言うのがあったが、党員も読者も数はずっと中央は把握しているはずなのに、そんな、さかさまな言い訳に呆れたことを思い出した。
そして、党は、これからも、結果的に与党を利することになっても、独り、現状維持・または2,3の議席増をのみ追究していく、というメッセージにも聞こえる。国会闘争では数の上での劣位に甘んじることは、他の野党を利するよりはいい。共闘路線を採ろうとは思わない、党がやれることはもうやった、後は国民のみなさんがんばって…と責任のありかが、すり替えられているように感じる。
…改憲に対する切迫感が感じられない。実に呑気だ。
国民ひとりひとりの運動と世論が重なって、そして、国会の中にそれらの声を響き渡らせるのが議員である。どちらが欠けても政治は動かない。
民意を反映させない選挙システムの文句をいうのはいいが、不利な中で最大限、憲法守れの声を響かせられる方法は何か、と言った選挙作戦の議論が、例によって実にならないまま告示を迎えるのは、痛恨の極みである。