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参議院選挙雑感

2007/7/22 レギオン 60代以上 無職

 参議院選挙に関して、大新聞の予測では、与党の過半数割れの可能性を報じている。先のことは分からないが、将来的に政権交代となったら一番困るのは「確かな野党」を掲げる共産党ではないだろうか。確かな野党から見れば、現在の民主党も自民と同じということで批判している。だから、仮に民主党が政権につけば、この確かな野党はそれに反対するであろう。共産党としては首尾一貫した立場なのであるが、今度は同じ野党陣営には、これまで民主党に対するよりもはるかに強烈に反対してきた自民党・公明党が加わるのである。それらの党と一緒になって、民主党内閣への不信任案などに同調するのだろうか。その不信任案が通って政権交代があり、自公政権が復活すれば、今度は不信任した筈の民主党と組んで野党共闘ということになる。国民から見れば何ともおかしな政党ということにならざるを得ない。こう見てくると、確かな野党なるものは、永続的な一党独裁政権のもとで成り立つ概念であることが分かる。きわめて皮肉な話ではあるが、共産党にとっては、現在の一党独裁体制が続いてもらわないと困るのである。それあらぬか、今回の年金問題への共産党の主張にはその願望が垣間見えるのである。共産党によれば、国民の不安を解消することが第一で、それには直ちに年金保険料納付記録を国民全員に送付することだという。それも大事なことに違いないが、安倍内閣への責任の追及は弱いようだ。一部自民党に同調して、管元厚生大臣を含む歴代の厚生大臣の責任などと言ってはいるが、ただ、それだけである。自民党が自分たちの主張を取り入れて年金記録の送付を約束したのは前進であるが、その時期が遅い、今、直ちにやるべきだと共産党は言っている。これでは、まるで、江戸時代の火消しの一番纏争いみたいなものだ。安倍首相は今年初めには、所属不明年金の所在を知ったというから、直ちに対応すべきだったのである。それを怠って、騒ぎを大きくしたのだから、その責任を取るべきだったのである。今回の参議院選挙で、自公政権へ逆風は吹いているのは、安倍首相がその責任を取っていないと見て、その他もろもろの政治的背景も含めて、事実上の不信任をしているのだと思う。仮に、この問題で、政権与党が安倍首相の辞任を選択したならば、情勢は逆転して、自公政権の過半数は確実となったであろう。責任を取らない政治に国民は怒っているではないだろうか。このように見てくると、年金問題に関する共産党の主張は、び縫策を政府に提言して、一緒に火消しをしているに過ぎないのである。その背景には、政権交代が可能な二大政党時代の到来を恐れ、もっとも低レベルな民主主義状況である選挙による一党独裁が続くことへの願いがあるに違いない。