安倍政権の展開はまるで、鎌倉幕府最後の権力者・北条高時 のようでした。
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高時は元寇後、御家人が困窮する中、北条得宗の家臣である 御内人ばかりを重用し、田楽や闘犬に興じました。
結果は新田義貞はもちろん、反乱討伐に派遣した姻戚の足利 尊氏も反乱し、京都の六波羅探題を陥落させます。
地元下関市でさえ、いい加減に張られた総理のポスター。人 徳のなさを露呈してしまっている。 安倍総理は貧困に苦しむ 国民、将来が不安な国民が増えた中、自己満足の「教育再生」 に興じ、経済ではやはり、御手洗冨士夫経団連会長(キヤノン 会長)、奥谷禮子氏(人材派遣会社ザ・アール社長)ら「身内 」を重用し、彼ら彼女らに「改革」で生まれた利権を漁らせた 。
さらに貧困やセーフティネット未整備を解決しないまま「新 憲法制定」、それも「国民が国を縛る」立憲主義を「国が国民 を縛る」憲法に倒錯させる方向で突き進んだことは、身内だっ たはずの「足利尊氏」=「保守層」に違和感を与えた。
あるいは、地方交付税をカットしておいて、苦しみにつけ込 んで、基地負担を振興策と引きかえに押し付けるなどの手口が 、「マッチポンプ」のようにみえ、反発を買っています。
広島でも、2000年ごろには45万程度いた自民党支持層 が、15万程度は国民新党経由で民主候補に、また10万程度 が無所属の女性医師候補に流れてしまいました。
たまたま定数2で野党側の戦略ミスもあり、自民党候補が本 当に「かろうじて」議席を得ただけです。
まさに「平成の足利」=「保守層」が寝返ったことで、地方 =六波羅探題が陥落したのです。
さらに小泉さんには一定の評価を与えていたような無党派層 、政界でも、民主党で国民投票法案をまとめていた、枝野幸男 衆院議員らの反発も招きました。このため、安倍総理の夢であ る、改憲は事実上頓挫してしまったわけです。
小泉さんの残した巨大議席におごり、「敵」をつくるように 、敵を作るように動いたのです。
安倍さんと北条高時、まさに瓜二つです。
むろん、高時の場合は、自分だけの責任だけではない。「仲 間内政治」を開始したのは父の北条貞時でした。安倍さんの場 合も「政治的父親」である、小泉さんの矛盾が今噴出している 面もある。
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また、どちらも、「父」にコンプレックスを持っていること が読み取れます。
しかし、北条高時はまだ潔さがあった。責任をとる気概があ った。
家臣は高時だけは船で鎌倉を脱出するよう進言した。しかし 、高時は鎌倉を離れるわけにはいかない、と踏みとどまり、最 後は東勝寺で切腹しました。高時のあとを追いかけ900人と もいわれた一族郎党が続きました。高時の「一定程度の人徳」 が忍ばれます。
しかるに安倍さんは、報道では青木参院議員会長、中川幹事 長、森喜朗元総理に退陣を一時勧告されながら、これを拒否さ れたようです。
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・森氏ら、「首相続投困難」伝えていた 安倍氏は続投貫く(asahi.com
、2007年08月02日03時18分)
安倍さんは現在、さらに「人心一心」を呼号し内閣改造を叫 んでいます。そして、昨日1日、「あなたはまだ若いから、一 から出直せ」と赤城農林大臣を更迭しました。「自分の路線は 支持されている。閣僚に足を引っ張られた」と他人のせいにし て、辞任はしないし政策転換もしようとしないことがこの間の 発言で読み取れます。
これは結局、高時とは正反対に他の家臣にだけ、腹を切らせ 、船で鎌倉を脱出し自分だけ助かろうということです。
しかし、そもそも、現代では、潔く腹を切っても(辞任して も)復活はいつでも出来ます。
むしろ、船で「鎌倉脱出」をなさった平成版北条高時=安倍 総理は、自民党内でも求心力が低下しているのに、どうなさる おつもりなのでしょうか?
また、国民の立場からすれば、「このような、閣僚や党幹部 にだけ責任をかぶせるような人に政権を任せていたら、いざと いうとき、憲法15条の「全体の奉仕者」であることなんてか なぐり捨て、自分だけ助かって、国民は見捨てる。そういう政 治を強行し続ける」のではないか、と疑念は膨らむばかりです 。
今からでも遅くはない。総理は退陣ないし衆院解散により、 「腹を切り」高時を見習うべきではないでしょうか?
写真:安倍総理の地元、下関でも総理のポスターはいい加減 に張られていた。総理の人徳のなさが明白に。