参議院議員選挙は、7月29日に投開票されました。自民党が改選時の64議席から37議席にまで大幅に後退しました。公明党は、12議席から9議席に後退しました。民主党は、32議席から60議席に大幅に増やしました。社民党は、3議席から2議席に後退しました。日本共産党は、5議席から3議席に後退しました。国民新党は、2議席を確保しました。新党日本は、1議席を確保しました。
公明党が参議院で議席を減らしたのは、国会に進出してから初めてです。日本共産党は、選挙区で改選時の議席がゼロになりました。これは、日本共産党が相当な深刻な事態に陥りました。
自民党と公明党の議席の減少は、住民税の大幅引き上げや年金給付の資格洩れ、閣僚の事務所経費の不正支出が、住民との矛盾を激しくさせた現れでした。民主党の大幅な議席の増加は、住民との矛盾の打開が安倍政権からの交代に噛み合った形になりました。このような事態は、農村や過疎化地域に顕著に表れました。
日本共産党や社民党は、住民と安倍政権との矛盾の打開を日本国憲法擁護に求め過ぎたために議席を後退させました。これは、年金や生活の格差是正、雇用確保の解決策、これらの要求実現の展望が示されなかったためです。
新党日本の田中康夫元長野県知事や川田龍平東京HIV訴訟元原告、糸数けいこ元参議院議員の当選は、野党間の共闘だけでなく市民団体や個人との共闘も視野に入れた共闘が安倍政権から政権交代の展望を開かせました。
私は、民主党の議席増加が2大政党制の移行として捉えずに、住民の苦難の打開の道筋を付けたと考えています。日本共産党や社民党を含む日本の左翼が、フランス大統領選挙や中南米の大統領選挙、欧州議会議員選挙などの世界政治の経験、今回の参議院議員選挙の経験からアメリカの62年にわたる占領政治の打開と自民党政権からの真の政権交代のビジョン、ビジョン実現のために戦術の再検討をすすめるべきです。