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中里喜昭さんの小田実追悼文について

2007/10/18 さつき

  「葦牙」のHPに中里喜昭さんの小田実氏追悼文 「われ=われの葬送」がアップされているのを千坂史郎さ んの掲示板サイトの記事で知り、読みました。中里喜昭さんの 古くから(「分岐」以来)の一ファンとして、ひとこと。

 追悼文の中では、「民主文学」四月号問題の後、宮本顕治氏 引退と歩調を合わせるように文化政策の路線変更があったとの 見解が示されていますが、中里さんらしからぬ甘い判断だと思 います。私は、日本共産党自身、文化政策への確固とした理念 がないために、単にご都合主義でふらふらしていただけだと思 います。宮本氏が現役の頃でさへふらついていました。宮本氏 の自尊心に左右された気まぐれのせいで、そしてまた、彼に追 随する事なかれ主義の党官僚の無節操のせいで、大勢のすぐれ た党員作家、学者、文化人、原水協活動家などが、党を去り、 人生の一部を奪われました。今この時点で、共産党の看板を背 負いつつも生き生きと社会に打って出るような「知識人」がど れほど残っているでしょうか? 党として路線変更するなら、 それなりの総括や謝罪があってしかるべきです。全ての共産党 員は、この面で重い歴史を背負っていると自覚すべきです。裏 読みすれば、たぶん、中里さんこそが、そのことを言いたかっ たのでしょう。
 皆さまにも一読をお薦めします。