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灯台守さんのおっしゃる「社会（人間の意識を含む）の問題
に科学的手法（自然科学的手法）を取り入れる」という主張に
私も賛成です。
社会の問題を明らかにする科学には、経済学や政治学、歴史
学教育学、心理学（人の心の問題）などがあります。一方、自
然現象を明らかにする科学には、物理学や化学、生物学、地学
などがあります。もちろんもっと細かく分けることもできるで
しょう。
自然現象を明らかにする科学は、灯台守さんがおっしゃるよ
うに、方法論が確立しています。それは、仮説を立て、実験す
ることによって、何が真理であるかを証明するという方法です
。そして、証明された真理は、何度でも検証可能です。
空き缶の中を真空にすれば、大気圧によって空き缶はつぶれ
ます。誰がやろうと、何度やろうと、同じ結果になります。
ところが、社会の問題の場合は、実験をすることができませ
ん。いやできないと考えられています。
私は、理科系の人間ですので、社会の問題の事はよくわかり
ません。そこで、経済学部の大学院生に、「経済学において真
理は、どのようにして決まるのか？」と聞いたことがあります
。そのときの答えは、「それは声の大きさによって決まるのだ
。」というものでした。マルクス経済学が元気な時は、たくさ
んの人が元気よく主張するので、それが真理のようになる、と
いうのです。
それでは本当に、社会の問題は実験ができないのでしょうか
。旧ソ連の崩壊は壮大な実験であったと考える人は多いのでは
ないでしょうか。資本主義から社会主義へそして共産主義の社
会になる、という仮説は、あの実験によって、間違いであるこ
とが証明された、と考えた人は多いのではないでしょうか。
もっとも、旧ソ連は社会主義社会ではなかった、と主張する
人もいますが。しかし、その場合は、社会主義社会とは何か、
という定義を正確にし、旧ソ連はどの点で社会主義社会ではな
かったのか、を証明する必要があるでしょう。
社会の問題の実験については、大分長くなりましたので、次
回に回したいと思います。
もう一点、灯台守さんは「哲学は概念を論理の基礎におく」
と主張されています。
私は、観念論哲学は心が先の考え、唯物論哲学は物が先の考
えとと考えています。概念とは、人の心が生み出した物ですか
ら、「概念を論理の基礎におく哲学」とは、観念論哲学のこと
だと思います。唯物論哲学は物を論理の基礎に置きます。
現在最終回を迎えましたが、テレビ番組の福山雅治演じるガ
リレオは、超能力など超自然現象は信じません。透視は、光の
屈折が原因であり、原因不明の心臓麻痺は、電磁波が正体なの
です。
観念論者が「病は気から」といえば、唯物論者は、「病はウ
イルスが原因」と言います。観念論者が、「試合に負けたのは
、根性がないからだ。」と言えば、唯物論者は、「試合に負け
たのは、練習時間が足りなかったかだ、あるいは練習方法が間
違っていたのだ。」というでしょう。
真の唯物論者は、もし神が存在するとすれば、その神もまた
、原子と分子から作られていると考えるのです。
大分年も押し迫ってきました。風邪などひかれないよう、ご
自愛ください。