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原様(5.17)への疑問とその背景

2008/5/18 とんび 40代 医療専門職

 5.17の原仙作様の「共産党指導部サークル化と淵源」(4)はいつもながら、 大変学ぶところ考えるところの多い論考である。そして、原様の認識は私の思い とも共通点が多い。ただし、下記の点について、私がよく理解できなかったので ご教示願えないであろうか。

> ネット上でjcp指導部の言説を繰り返してきた信奉者について言えば、彼 らの政治を見る目の経験不足によるところが大きい。今起こりつつある政治の変 化を目にするような経験がここ30年ほどなかったことが負の遺産となって、不 破らの単純な自共対決史観や二大政党制論の誤りに気がつかなかったのである。 (27の中程)

 93年の自民党分裂と7党連立の細川内閣成立後、日本の政治は離合集散を繰り 返す時期(社会党の解体と共産党のらち外化も伴う)を経て、99年以後は自民― 公明の連立与党が政権を担うというものと考えて良いであろう。このような変化 を、彼らが目にしなかったとは考えられない。むしろ、「同じ穴のむじなども」 の離合集散の部分にのみとらわれて、米国の指示による新自由主義的な「改革」 の暴走を止める効果的な方策を、共産党の伸長以外は考えられなかったことに問 題があるのではないだろうか。
 彼らの肩を持つわけではないが、(1)地方議会・首長選挙では多くの場合オー ル与党対共産党の構図であり、共産党系の首長が当選してもあの手この手でひき ずり降ろされる経験をしてきた、(2)民主党と組んでいる社民党も低迷している 現実、(3)民主党幹部が新自由主義的「改革」推進の言辞をかつて自民党以上に 主張してきた経験、これらの部分だけにとらわれると、共産党を伸ばす以外は意 味がない等の化石のような考えが出てきている可能性もある。このことは、多く の共産党系の人士(法律家、医療関係者、研究者など。労働運動・地域活動関係 者の参加は少なかったよう)が一時参加した「平和共同候補運動」への、共産党 指導部の頑なで敵対と組織的締め付けの問題を理解するカギとなるのではない か。
 ついでながら、共産党が07年参議院選挙後にしきりに「綱領」を振り回すよう になった。しかし、共産党の綱領におけるプロセス論のポイントともいえる、新 自由主義的改革にブレーキをかけられる政府づくり、連合政府のための運動体 (かつてなら革新統一戦線と)について、指導部からほとんど論及がない。若者 の労働問題や社会保障改善などを中心テーマにした連合と全労連のゆるやかな共 闘の実現(せめて若者の自発的な取組を邪魔しあわないこと)、護憲護民を一致 点とした第三極への足がかりのための大胆な発想転換などは、人がかわらないと 望むべくもないのだろうか。