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さつきさんへ080520

2008/5/20 灯台守 60代 自営業

 大変長い投稿読ませて頂きました。科学“哲学者”ポパーを題材にした、さつき さんから日本共産党に対する批判を込めたエールでも有ると受け止めてみまし た。宜しいでしょうか。

 私はポパーを含めた“哲学全体”に否定的視点を持っています。従って、さつき さんの哲学的論理をも否定的に理解します。

 一つだけコメントします。
 投稿文の“その四”―まとめ(ポパーの遺産)―から、“マルクスの歴史科学は確 かに「科学」と認めることが出来るでしょう。“

と結論付けています。マルクスの歴史科学と言われていますが、正確には”唯物 史観“を言っていると思います。”唯物史観“はマルクスイデオロギーの根幹でも 有ります。”科学“ではなくイデオロギー(哲学論)である事は明らかですね。

 私の歴史観を付け加えておきます。私の歴史観は、ダーウインの主張する様に “進化論的発展観”です。人類は地球上の異なる自然風土の中で、その風土に適応 する形で発展して来たと思います。交通の便の良い所では、文化は重層していま す。ヨーロッパ文化は沢山の文化の重層の上に形作られています。ヨーロッパ固 有の文化は後ろに追いやられ、固有文化のルーツが理解出来ないほどに重層して います。エスキモー(イヌイット)の様に孤立した文化は、固有文化を維持して 来ました。

 マルクス、エンゲルスは人類の発展を“段階的線的発展論”(エンゲルス著「家 族、私有財産、国家の起源」)として理解しています。つまり、文化人類学者モ ルガンの「古代社会」を前半部に取り入れ、後半部にマルクスの“資本論”的論理 を付け加えた論理で構成されています。

 モルガンはアメリカの文化人類学者ですので、アメリカの五大湖付近に居住し ていたネイチブアメリカン、イロクオイ族等の研究者です。実地研究によって論 文をまとめました。此れは科学的研究です。しかし、後半部のマルクスの“資本 論”的論理を付け加え、人類発展論としてまとめました。

 人類は一様な段階を経て発展したものではないと思います。マルクス自体、東 洋に付いての言及は曖昧です。マルクス、エンゲルスの“史的唯物論”はヨーロッ パに付いての考察から浮かび上がった構想でしょう。しかも、行き当たりばった りの観を拭えない、モルガンの説を都合良く取り入れたと言うより、“パクリ”と 言う方が適当のように思えます。
 ネイチブアメリカンの研究(モルガンの著書から)をそのまま使い、ギリ シャ、ローマに繋げています。

 さつきさんはマルクスの歴史観を“科学”として認め、しかし、“歴史法則主義” に甘い期待を抱くのは間違いと説いています。共産党でもその様なフレーズが散 見されるとしています。如何なものでしょうか。

 ポパーはさつきさんも言われている様に哲学者です。哲学は始めが有って終わ りが有りません。古代ギリシャのプラトンも現代に多くの信奉者が存在します。 個々人がどの様な哲学を信奉しょうと自由です。他人がとやかく言う事ではない でしょう。さつきさんの哲学論がさつきさんの問題である限り、他人が嘴を入れ る予知は有りません。百人百様の哲学論があるのですから。

 問題なのは、哲学論(宗教、倫理観を含め)が社会的に強制される事です。哲 学論は政治的に多数決で決定される事では無い筈です。問題はこの一点です。個 人を強制する理論、此れが国民の多数を結集出来る土台を打ち壊しています。 “何党と何党とで選挙が勝てる“と言う問題を一挙に解決する方策は見えている筈 ですが。