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灯台守さんへ

2008/5/28 さつき

>科学“哲学者”ポパーを題材にした、さつき さんから日本共産党に対する批判 を込めたエールでも有ると受け止めてみました。宜しいでしょうか。

 はい、それでけっこうです。しかし、以下の論点が理解できませんので、いく つか質問させて下さい。まず、基本的なことですが・・・

1)灯台守さんは「ポパーを含めた“哲学全体”に否定的視点を持ってい」なが ら、「ダーウインの主張する様に “進化論的発展観”」という独特の歴史観をお 持ちのようですが、その歴史観は、灯台守さんの哲学ですね。ということは、 「哲学という存在」そのものを否定するのではなく、自分の哲学以外を否定する ということでしょうか?

2)(社会の)“進化論的発展観”というのは、スペンサーやヘッケルの「社会進 化論」や、いわゆる「社会ダーウィニズム」を連想させますが、これらとの関係 はどうでしょう? ちなみに、ダーウィンの進化論の「進化:evolution」には 「進歩」や「発展」の意味はひとつも込められていなくて、この言葉は「展開」 や「変化」の意味として用いられました。そのため、スペンサーやヘッケルのの アイデアは、ダーウィンの学説と相容れないという批判にさらされたと理解して います。ちなみに、マルクスも、唯物史観はダーウィンの進化論に着想のヒント があったと書いていますが、彼もまたダーウィンの思想を誤解していたという評 価が一般的だと思います。

 次に、私はマルクス主義者ではありませんが、マルクスの学説について勉強し たいと思っていますのでお聞きします。

3)科学と哲学の関係

>”唯物史観“はマルクスイデオロギーの根幹でも 有ります。”科学 “ではなくイデオロギー(哲学論)である事は明らかですね。

 哲学には「マルクス主義」のように個別諸科学を総合して体系化されものが あって(そうではないものもある)、私が「マルクスの歴史科学」と書くのは、 彼の哲学の要素としての一つの科学(歴史科学)という意味です。モルガンの研 究が、ネイティブアメリカンの社会を実地に研究した学説だから「科学」である ように、例えばマルクス主義哲学の一つの要素である「資本論」もまた、ヨー ロッパ資本主義社会を実地に研究して書き上げられたものという意味で「科学」 としての要件を備えていると思います。

4)孤立社会について

>人類は地球上の異なる自然風土の中で、その風土に適応する形で 発展して来た・・・

 このことは、私も認めますし、マルクスも認めていたと思います。多分レーニ ンは、そうした地球上のいろいろな孤立社会も、やがてはグローバル化が避けら れない資本主義の社会システムに呑み込まれてしまうと主張していて、事実、そ うなってきたと思うのですが、どうでしょう。日本も明治維新を機にそうなった と思います。

5)哲学の発展について

>古代ギリシャのプラトンも現代に多くの信奉者が存在します。 個々人がどの様な哲学を信奉しょうと自由です。他人がとやかく言う事ではない でしょう。

 これは、典型的な「相対主義」に基づく発想だと思いますが、そうだとして、 灯台守さんがそうしていらっしゃるように、自分の哲学を他人に披露することに どんな意味があるでしょう。

 私は、プラトンが哲学の発展に寄与した功績を認める論者を知っていますが、 プラトンは他のどの哲学者よりも素晴らしいと唱える「信奉者」を具体的に知り ません。私が誰の信奉者でもないのは、哲学の中にも発展(進歩)するものがあ ると考えていて、その時々の発展に個々の哲学者が果たした役割を評価したいと 考えているからです。私の件の投稿では、ポパー理論の不備を、ラカトシュによ る批判的深化とウィトゲンシュタインの論考、およびフッサールの現象学に依拠 して指摘しつつも、ポパーがネオ・マルクス主義者を批判した視点には正しいと ころもあると主張しました。私は、ポパー同様、誤りを正すことによって進歩す る哲学もあると考えているので、もし私の主張に誤りがあれば具体的に指摘いた だけるよう、できるだけ具体的・論理的に書こうとしたつもりです。どうか具体 的な指摘をよろしくお願いします。

5)もっと具体的にお願いします

>問題なのは、哲学論(宗教、倫理観を含め)が社会的に強制され る事です。哲学論は政治的に多数決で決定される事では無い筈です。

 あたりまえのことだと思います。このことが、日本共産党にまつわる諸問題に ついて議論する、この「さざ波」の場において、どのような議論として展開され るべきか、もっと具体的に書いていただけたらと思います。「問題はこの一点」 としながら具体性がないので、単なる愚痴に聞こえます。

 単なる哲学論議なら別の場所でやりましょう。