最近、政治家、官僚、マスコミ人、経済学者等の間に、市場型経済政策に対す るコンセンサスが出来ている様に思える。確かな確信が有る訳ではない。
先の省庁改革で、大蔵省が廃止され財務省に衣替えに成った。官僚政治(官僚 が政策立案実行を兼ねる組織。)は改革すべし,と言う考え方を持っているが、 日本銀行は株式会社では有るが,政府に変り金融政策をも独占的に取り扱ってい る。
大蔵省当時の金融政策は、金融監督を除き財務省には存在していない。日本銀 行の改定に伴い、自立的に政府からの独立が協調されて来た。
これ等の改革の方向は、EC中央銀行を始め、私の知る処ではタイ中央銀行、韓 国中央銀行等が同様の法改定が行われて来た。恐らく世界的状況に成っている筈 だ。共通する状況は、何処の国でも然したる問題も無く、成立して来ている事が 共通的である。
これ等の国では、皆同じ様に市場型経済システムを採って来た事だ。夫々の中 央銀行が自立して市場型経済政策を採っている。言い方を変えれば、大きな問題 に成らず金融の国境を取り外したに等しい。しかも、それらの国々の金融政策は 政府の手を離れ、夫々の国の中央銀行に委ねられた様に見える。実に此れは重要 な点を意味している。
追々この点を明らかにする積りであるが、支配的経済学者、マスコミ人、政 界、官僚界では論議が少ない。どうした事なのだろう。
私には、或る人々による共通するコンセンサスが有る様に思える。中心課題は “公正な経済競争社会の構築”が考えられる。実態は公正でも自由な競争でもない が、夫々の国家内の財産を所有する一部の人々との利益を分け合う妥協がある様 に思える。
日本銀行幹部官僚の間には、日本企業を世界競争に耐える体力を作り出そうと する、合意コンセンサスが有る様に見えるのだ。此れは、公開された議論の結果 ではなく、深く沈んだコンセンサスである様に思える。この様な視点を踏まえて 今後とも研究を続けて行きたい。