“日本共産党7ツの誤り“を書いて見た。もう一つ加えて”官企業を見逃した誤 り。“を付け加えるかどうか迷った。民主党の”石井コウキ氏“は国会議員の国政 調査権を使って調べ上げた。政党としての民主党が調べた訳ではない。
石井コウキ氏が調査したのは、主として“特殊法人”に付いてである。公庫、公 団、事業団等全て合わせると、日本の産業でどの位の割合になるか調べていた。 金融に付いて言うと、民間金融機関全ての資金の1.2 倍程に成ると言うのであ る。住宅戸数の11%は官業によって成立っているのである。GDPに占める公的 需要に付いての記述を引用してみよう。同書p113第一節 日本は官製経済の国だ 事業開発の為の法律が300 GDPに占める公的需要は極端に大きい 以下引 用
わが国を“官制経済”の国と見做す第二の根拠は、経済に占める公的需要の大きさ である。わが国の規模を国内総生産(GDP)でみれば510兆円(平成12年度名目) だが、このうち、121兆円は「政府消費支出」および「公的資本形成」と言っ た、政府による直接の買い物、すなわち、「公的需要」である。これには特殊法 人の建設.設備投資以外の支出や公益法人、第三セクター等の事業に係る支出は 含まれない。このため、GDPに占める公的需要の全体はもっと大きいと推定され る。
また、国による歳出は一般会計と特別会計を合わせて純計で約260兆円、地方公 共団体の支出は(国とのやり取りを除いた)純計で90兆円である。従って、国と 地方合わせた一般政府の支出は350兆円と成る。(平成12年度)
p114引用
GDPは本来、付加価値の規模を示すものと考えられていて、此の中には、政府に よる消費(支出)も含まれている。一般にGDP統計の中では、政府支出も付加価 値を生み出すとされている。しかし、経済活動における付加価値は、本質的には 市場に於ける資本の運動の中で形成されるものであり、政府自らが資本の運動に 参加する事は出来ない。
引用終わり
以上引用した文章にある数字をどの様に考えるだろうか。官業は民業と異な
り、予算配分によって拡大して行くが、民業と本質的に異なる。GDPに占める官
業の大きさによって石井議員は「官制経済国家」と規定している。
民業が頑張っても、民業の占める割合は限られている事が解る。石井氏は官業 の進出していないのは自動車、電機、機械等の製造業位のものである、と指摘し ている。巨大化された官業は法的には、行政機関ではないにも拘らず、全体に係 る法体系が無い事を指摘している。有るのは、個々の「設置法」が有るのみなの だと言う。
平成11年11月19日衆議院行政改革特別委員会での追及に旧総務庁持永政務次官 は其の存立基盤は、「公法ではなく私法である」、「行政機関ではなく民間機関 だ」と答弁したそうである。(後訂正して、「公法法人であるが行政機関ではな い」と)。
行政機関ではない公法法人と言う概念が、司法府でも立法府でもないところに 存在していたのだと言う。国民総生産の多くを占める公法法人は、国家の発展と は無関係に大きな割合を占めている。
多分、野党は愚か与党議員さえも理解していたのかどうか。日本共産党は知っ ていたのであろうか、知らなかったのであろうか。何れにしても問題が有る様 だ。経済成長とは関係ない官業が、国家経済の大きな位置を占めているのだか ら。其の多くの付けは国民が負うのであるから。