9月5日に共産党志位委員長名で発表された、グルジアでの紛争に関するロシア
非難の見解について、立石康行様から詳細な批判が掲載された。私も、志位見解
について、大きな問題を感じる。国際問題について同党が行ってきた、独自の調
査・情報収集による判断という部分が無く何を根拠に判断したか不明なこと、米
国の旧ソ連構成諸国への介入へ無批判なことが特徴である。チベット問題に関す
る同党の姿勢とかなり差異を感じる。
私は、今回の見解発表を、共産党の右傾路線の一歩深化と感じる。また、福田
首相辞任表明直後というタイミングには、右より政界再編のにおいも感じる。
1999年に不破議長(当時)は、安保凍結論を示し、その後、海上保安庁法改正
への賛成、自衛隊合憲論と防衛問題での右傾化を進めてきた。今回、米国のしか
けが裏にある軍事紛争を「グルジア国内問題へのロシアの介入」とすることは、
自衛隊PKOの容認へ進む一歩となるのではないか、と懸念する。
また、首相辞任表明がなされ解散近しの状況の下、親米を示すことは、新しい
衆議院で、自公にも民主・社民・国民新党にも近づきうることも意味していない
だろうか。このような姑息な判断で、防衛政策の重要ポイントを変えることは大
きな問題であろう。