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ソ連崩壊と経済危機

2008/10/10 立石康行

   よく考えてみるとソ連崩壊と今日の経済、金融パニック間には強度の相関があると思われる。
1) ネオリベラリズム、市場原理主義、新古典主義の出現はソ連経済の弱体化とほぼ時期を同じとする。
2) レーガン、サッチャーの市場第一主義はゴルバチョフが政権を取りソ連が混沌とした時期とほぼ一致する。
3) 1930年代の世界恐慌に対するリメディとしてルーズベルト(FDR)のニューディール政策は基本的には世界の赤化を防止する政策であった。
4) その時点で導入されたグラス・スティーゲル法等の規制はレッセフェールの資本主義に一定の規制枠を嵌め、過度のまた無責任な金融投資を抑え、資本主義の最終的破綻を先延ばしする役割を果たした。
5) ソ連崩壊後レーガン時に始まった規制の弱体化はクリントン、ブッシュの下で100%の無規制をもたらした。
6) その結果米国、EUの金融機関は世界をカジノ市場として荒らしまわり現在のパニックをもたらした。
7) もしソ連が強力で、繁栄しておれば、それは世界の人々に社会主義の優位性を示し、政府の役割の重要性を指し示すものと成ったであろう。
8) しいてはカジノ資本主義の出現する余地をなくする。
9) 現在のロシアは社会主義ではないが、種々な面でソ連の影響が垣間見られる。特に経済、金融面で政府の手が顕著に見える。勿論国家独占資本主義という面もあるが、中国の目に余る資本主義化と比較すればロシアは健全である。例えば、ロシアと南米、特にベネズエラと益々強力な協力には注目する必要がある。ベネズエラは社会主義国ではないが、それを目指している。現在それを軍事面で支えているのはロシアだけである。

 このように見てくるとソ連崩壊がもたらしたカジノ資本主義、それの崩壊、その結果としての多くの人々の間での社会主義の優位性の認識、案外早いうちに社会主義の復活が見られるかもしれない。

 これに関しても現在の日本共産党の対ロシア政策は早期に180度変更すべきである。
 南オセチア問題について先に述べたが、その後の赤旗の記事は志位氏の声明ほどではないが事実の歪曲が見られる。その例を述べる:
1) ヒューマンライツウオッチがクラスター爆弾をグルジアとロシアが使用と声明を出したと赤旗はなんらのコメント無しに掲載:グルジアのNATOのクラスター使用はロシアのテレビでも見られるように確証がある、しかしロシアは使用を否定しまた誰もその証拠を示していない。ヒューマンライツウオッチは米国の影響下にある組織で、ベネズエラについても悪質なデマを飛ばしている。
2) また別の記事ではメディベーデフとドイツのメルケルとの会談でメルケルがロシアの南オセチア、アブカジアの独立承認を非難と報道したが、その数日前に共産党も褒めちぎるチャべス大統領がロシアを訪問しプーチン、メディベーデフと会談しこの問題に付きロシアを全面的に支持すると述べたが赤旗はその記事なし、このような報道はブルジョア・マスメディアの常套手段で悪意を持ったセレクティブ報道である。