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共産党の消費税増税反対運動の是非に関して

2008/11/27 日本に福祉国家を 50代

 

 共産党は今消費税増税反対運動を展開しているが、その是非に関して検討 したい。
 共産党は福祉・教育・医療などの改善要求をする一方で、消費税増税反対運動 を展開している。そして、その財源は、大企業本位の是正・軍事費の削減・無駄 な公共事業の削減などによりまかなうとの方向を打ち出している。しかし、緻密 で具体的な財源の検討・計算はなされていない。
 今、日本では、国民生活の中で格差が拡大し貧困が増大すると同時に、福祉・ 教育・医療など公的サービスの崩壊が急速に進行している。それは、政府の進め る「骨太の方針」など国家財政危機の中での財政再建政策による社会保障予算の 削減、教員など公務員の削減・医療費の抑制により公的サービスの解体が進み、 国民の暮らしの危機が急速に進行している。
 このような国民の暮らしの危機が進む中で、消費税増税なしに崩壊しつつある 公的サービスの維持・再建ができるのか。共産党の要求する福祉・教育・医療の 改善の財源をどこからまかなうのか、の具体的検討がなされていないと考える。
 共産党の消費税増税反対運動は、日本でのあるべき公的サービスの姿と切り離 し、消費税を上げれば国民の暮らしが苦しくなるという側面でのみ運動が進めら れている。
 消費税問題を、今後あるべき公的サービスの姿と連動させ、増税なしに福祉・ 教育・医療など日本の公的サービスの拡充ができる具体的財政的裏づけを示すこ とは必要ではないのか。
 もし、財政的裏づけのない野党としての無責任な主張であるならば、国民を増 税反対の方向へ世論誘導し、公的サービスの維持・拡充の財政的条件を摘み取 り、更なる公的サービスの解体が進むのではないかと危惧するものである。
 今、日本国民は公的サービスは拡充すべきだが、同時に行政改革を進め、公務 員を減らし小さな政府で、税負担も軽く、という矛盾に満ちた意識動向にあるよ うである。共産党がこのような矛盾に満ちた国民の意識動向に乗り、あるいは誘 導し、日本が身動きの付かない状況に導くのは大きな疑問がある。
 昨年の統一地方選挙時に、共産党は国保料引き上げ反対の運動を展開したが、 共産党が与党の自治体では、共産党議員が国保料引き上げの主張を行うというね じれ現象があった。
 大半の地方自治体の財政状況と国保の財政状況は、国保引き上げしない、とい う選択余地のない状況であった。財政に責任を持たなければならない与党として の共産党議員は、国保料引き上げの主張せざるを得なかった。
 共産党として、消費税増税反対の主張と福祉・教育・医療の改善の主張を行う のであれば、その具体的・緻密な財源を示すことなくしては、無責任といえよ う。