投稿する トップページ ヘルプ

一般投稿欄

共産党組織の現状とその根本的要因

2008/12/11 日本に福祉国家を 50歳代

 この間、赤旗によれば共産党は青年層中心に新規入党者を迎えた、と報じられ ている。
 これは、『蟹工船ブーム』など非正規雇用や派遣などのワーキングプア状態に ある青年の間で共産党への関心が高まり、一定の入党者も出ているようである。
 しかし、今までの共産党の大きな組織源であった、学生運動や正規の自治体労 働者や教員などでは、青年が大きな運動のうねりを形成する状況にない。
多くの新規採用者が労働組合にも入らない現状で、全教や自治労連という組合の 活動の主な担い手(労働者党員)は高齢化し、これから10年前後に迎える彼ら の大量退職後、全教や自治労連などの組合活動が大きな停滞を向かえ、正規雇用 の教員や公務員・自治体労働者のなかで労働者党員が激減することが予想され る。これらの分野での共産党の大幅な後退は、日本の労働運動の地図を大きく塗 り替えることとなろう。
 非正規労働者が運動に立ち上がることは喜ばしいが、正規の公務員の運動が急 速に停滞する状況が進行中ということは、日本の労働運動にとっても革新運動に とっても重大な問題であろう。
 共産党の大きな組織源であった教員や公務員(特に自治体)は、最近の採用者 の多くが大卒であり、しかも難関大学出身で、高度な受験勉強を経験したものが 採用される傾向が強まっている。
 そのような彼らが、組合や共産党を避けるのは、共産党のイデオロギー・理論 活動が近年停滞し、学歴の高い青年層に影響を与えうる知的な刺激を発信できな くなっていることが大きい。また、学生運動の停滞も負の影響を与えていよう。
 最近の赤旗の日刊紙でも理論的問題の記事が激減をし、科学的社会主義の研究 にいたっては不破哲三氏のみが担っている状況にある。
 青年の教員や自治体労働者など、高学歴の労働者の組合への積極的参加と共産 党への支持を得るためには、共産党が青年に知的影響力を行使できるような理論 活動の高揚が不可欠であろう。