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共産党が与党の自治体での官製ワーキングプアの増大に関して-共産党が、 真の非正規雇用者の味方かどうかの試金石―

2008/12/21 日本に福祉国家を 50代

 今共産党は、派遣労働者など非正規雇用労働者の劣悪な労働環境の問題に取り 組み、告発しているところである。特にこの間の派遣切りという、派遣労働者が 解雇され、住む場所も失う問題に関しては共産党として大きな力を裂き、取り組 んであるところである。
 さて、全国には少ないながらも共産党が与党の、あるいは共産党員が首長の自 治体が存在する。
 私も、共産党が与党の自治体に居住しているものであるが、共産党が与党の自 治体においても、自治体の臨時職員や嘱託職員など非正規雇用者が急増してい る。
 彼らは、月給13~14万円程度で、定期昇給もボーナスも退職金もなく、雇 用契約も最長で1年というように、まさにワーキングプア状態である。
 確かに自治体の財政状況は、小渕政権時代に景気対策としての公共事業の過大 な実施を国から強要され、その借金返済に苦しむと同時に、小泉構造改革により 地方交付税が大幅に減額となり(三位一体改革)きわめて厳しいところが多い。
 そのような財政危機の中で、共産党与党の自治体としても行政改革プランが作 成され、大幅な正規職員の削減が計画され、退職者への欠員不補充により、正規 職員の定数の大幅削減が断行された。正規職員の大幅削減により、日常業務遂行 のため臨時職員や嘱託など非正規職員が大幅に増員されることとなった。
 私の居住するA町の場合、正規職員の大幅削減の行革プランに、共産党地方議 員がもろ手を挙げ賛成し、正規雇用の非正規化を推進する旗振り役を務めた。

 共産党が与党である自治体A町の非正規職員化の具体的数字
平成17年に231名の正規職員を、22年に207名まで削減する。
(10.4%の削減率)
国家公務員の定数削減の数値目標 5.7%・全国平均で5.9%
A町が属する県内の市町での平均定数削減率 6.9%

A町の非正規職員数
 平成16年度 正規職員 241名  非正規職員 83名
   非正規職員比 26%
 平成19年度 正規職員 217名  非正規職員 107名
   非正規職員比 33%
 上記のように、共産党が与党の自治体であるA町では、国家公務員や県内の市 町の平均をはるかに超えて、正規職員の削減と非正規職員の増員がなされ、自治 体により生み出される官製ワーキングプアが増大させられることとなった。
 共産党は、一面では派遣労働者など非正規労働者の味方のように振舞うが、共 産党が与党の自治体では、共産党が積極的に正規職員の削減を進め、劣悪な非正 規雇用の拡大を推進する役割を果たしている二律背反ともいうべき現状にある。
 共産党が、真に非正規雇用労働者の味方という立場に立つのであれば、共産党 が与党の自治体でも、非正規職員の待遇改善と非正規雇用の正規雇用化を進めな ければ革新政党としての筋が通らない。共産党は、大企業には要求するが、共産 党が与党の自治体では非正規労働者の待遇改善を要求できないという矛盾した現 状にある。