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「建設的野党」は庶民にやさしいか?

2009/9/12 とんび 50代 医療専門職

 8月30日の総選挙により、小選挙区制の影響もあり、民主党を中心とした連立政権へと政権交代がなされます。共産党は、今回の総選挙直前に「自公退場、新政権には建設的野党」の方針をだしました。
 それでは、「建設的野党」は、従来の「たしかな野党」と違って、どんなことをするのか。いまひとつ明らかではありません。「建設的野党」が庶民に役立つような働きをするとしたら、次の4つの領域かと思います。
1)参議院での共同のキャスティングボート
参議院では民主党が単独過半数ではないため、個別の政策案件で社民党や護憲派の議員と組むことで、効果をあげられるかもしれません。公明党が民主党にすりよってくることが予想され、少数会派の共同が意外に重要かもしれません。このような状況のため、来年の参議院議員選挙でどのような取り組みをするかも注目されます。
2)地方自治を回復する
 地方自治体とそこの住民は、一部を除いて、三位一体の改革や住民の理解と合意を得ない市町村合併(市町村議会機能の縮小化)で大変疲弊しています。財界主導の「道州制」・地方分権(格差拡大の容認)ではなく、地方自治の回復が必要です。多くの自治体で首長が自公与党の状況ですが、現実の矛盾のひろがりと国政での政権交代を受けて、住民からの運動を高まらざるをえません。その時に、従来型の地元国会議員と国の役所に「お願い」をして企業誘致等地元へ利益誘導する方式にとどまらず、住民自身が自治に参加できるような運動のあり方が求められるでしょう。
3)労働者の権利と利益を回復する
 橋本内閣以後、労働者の権利や利益はずっと損なわれてきました。その間に、安定した雇用、労働者の健康、労働者の家庭のいずれもが著しく傷つきました。しかし、不思議なことに労働運動は低迷したままでした。民主党、社民党が与党となるときでもあり、大胆に労働運動の大同団結をはかり、未組織の労働者、非正規雇用労働者、失業者、就業意欲をなくした人も視野に入れた取組が望まれるのではないでしょうか。
4)小選挙区制の見直しを
 2005年の自民とともに、今回の民主党も実は過半数の得票を得たわけではないのに、衆議院の圧倒的多数となりました。今回、小選挙区制の問題を正面から論じた国会政党はなく、民主党は比例削減を掲げました。民主党が連立政権方式をとり、政治主導の政策・予算立案というなら、少数意見を尊重できるかどうかがカギになります。公明、社民、国民新党の動きとともに、「民意を反映する政治」をもっと論じる必要があるでしょう。
 9月9日に志位氏は共産党創立記念講演会で長い話をされましたが、賢い傍観者の解説のようであり、変革の主体者としての具体性と展望に欠けるため、実践に結びつくか心配な内容です。もし400万人余の強固な支持者がいると考えると、「善戦健闘」の自画自賛だけでなく、この方々がどう立ち上がるかが大切と思いますが。