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種々の民主党員と川崎市長選

2009/10/04 櫻井智志

 風来坊氏がご指摘のように、静岡県知事に当選した人物のように、民主党でも 実にさまざまな人物がいる。
 ここにひとつの例示を示したい。
 民主党国会議員だった松沢成文氏が、革新統一の伊藤三郎市長から高橋清市長 へと続いた流れに、自分の推薦する阿部孝夫氏を川崎市長候補へと押し出した。 阿部孝夫氏は当選した。徹底的な労働組合への圧力がかけられた。旧総評系の労 組には、圧力という言葉ではすまない働きかけがなされた。川崎市役所の機構改 革も進んだ。やがて阿部氏を自民党や公明党も支持して、対立候補は共産党推薦 候補だけとなった。
 阿部氏を推薦した松沢氏は、神奈川県知事に当選して現職である。

 十月二十五日の川崎市長選に向けて、現職市長は、総選挙で圧勝した民主党に 単独推薦を願い出た。民主党は県議員の福田紀彦氏が無所属となって立候補を表 明した。福田氏は、松沢成文氏が代議士時代の公設第一秘書を務めた人物であ る。
 阿部市長の態度に激怒した自民党は、阿部氏の支持を行わず、別の候補者を立 てようとしている。
 今回の川崎市長選は、民主党の福田氏、自民党系列の候補者、共産党が推薦 し、前回も立候補した岡本一氏、そして連合が推薦した現職である。
 一見、別々の流れのように見える松沢氏、福田氏、阿部氏と一つのつながりの 輪にある。自公政権が倒れたいま、民主党の権力政治家たちが、自治体首長の座 をねらい虎視眈々としている。
 たとえ民主党でも、国民の救国の願いをもとに国政の転換に私心なく取り組ん でいる政治家もあろう。一方では、民主党でなければ政治家でないような冷静さ を失った熱風が吹き荒れている。
 このような中で、庶民ひとりひとりが救われるためには、賢明な政治的判断に 基づく一票が求められている。