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改憲発言と鳩山内閣の座標軸

2009/12/27 櫻井 智志

 鳩山総理が、憲法改悪を発言した現時点で、現政権の政治的座標を確認したい。

 私は、民主党連立政権を一定程度評価している。自公政権よりははるかに。しかし ながら、鳩山総理は、みずからの思いで動くというよりは、国内外の政治的世論のよ うすを見ながら、バランスをとって政治を進めようとしている。
 だから、鳩山総理を推す民主勢力や民主的な世論が高まり、支えていければ、突っ 走るような無謀はしない。反自公政権としてとスタートした鳩山政権を、ぶっつぶそ うとする動きは自民党とその周辺の有名人だけではない。マスコミが鳩山政権を批判 し続けている。

 小泉政権を支えた第四権力としてのマスコミは、私はアメリカの意向を背景にして いると考える。さらにもともといた民主党若手を中心とする新自由主義派が、鳩山氏 への批判が高まると、前原国土相の社民・国民新党切り捨て発言など徐々に動きを活 発化させつつある。

 基本的には、私はまだ鳩山政権を支持する。内閣支持率は五割をわった。しかし、 鳩山政権を否定する勢力の中により強い反動勢力がいる。
鳩山氏の改憲発言は、この内閣の基本的方向というよりは、内閣が支持を減らしてい る現状での苦し紛れの発言である。この動きを制止するには、共産党の「建設的野 党」路線のように、批判すべきところは明確に批判しつつ、この内閣がどのような経 緯で生まれたのか、どのような座標軸に位置するかを見極めるべきであろう。

 この小論にはさらに付加すべき重要な視点がある。それは後日、時を改めて記した い。