鳩山総理が、憲法改悪を発言した現時点で、現政権の政治的座標を確認したい。
私は、民主党連立政権を一定程度評価している。自公政権よりははるかに。しかし
ながら、鳩山総理は、みずからの思いで動くというよりは、国内外の政治的世論のよ
うすを見ながら、バランスをとって政治を進めようとしている。
だから、鳩山総理を推す民主勢力や民主的な世論が高まり、支えていければ、突っ
走るような無謀はしない。反自公政権としてとスタートした鳩山政権を、ぶっつぶそ
うとする動きは自民党とその周辺の有名人だけではない。マスコミが鳩山政権を批判
し続けている。
小泉政権を支えた第四権力としてのマスコミは、私はアメリカの意向を背景にして いると考える。さらにもともといた民主党若手を中心とする新自由主義派が、鳩山氏 への批判が高まると、前原国土相の社民・国民新党切り捨て発言など徐々に動きを活 発化させつつある。
基本的には、私はまだ鳩山政権を支持する。内閣支持率は五割をわった。しかし、
鳩山政権を否定する勢力の中により強い反動勢力がいる。
鳩山氏の改憲発言は、この内閣の基本的方向というよりは、内閣が支持を減らしてい
る現状での苦し紛れの発言である。この動きを制止するには、共産党の「建設的野
党」路線のように、批判すべきところは明確に批判しつつ、この内閣がどのような経
緯で生まれたのか、どのような座標軸に位置するかを見極めるべきであろう。
この小論にはさらに付加すべき重要な視点がある。それは後日、時を改めて記した い。