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民主集中制の害悪 不破、志位氏の独裁

2010/1/20 広田法真

4年ぶりに、日本共産党の大会が2010年1月13日から4日間開催され、青 い法衣を着た大阪市議、元漫才師などに発言させ、いかにも党は様々な人を包含 する民主的運営をやっているかのようなパフォーマンスを演出したようですが、 大会最終日には、志位和夫委員長、市田忠義書記局長を再選出して終わった。不 破氏もまだ常任幹部会委員に留任となり院政を続けている。
先に日本共産党を離党した元中央委員会常任幹部会委員の筆坂秀世氏が「日本共 産党員のための人生相談」という本を出版しています。そこには、現在の日本共 産党の民主集中制による党運営、不破、志位氏らの実態が書かれています。

「・・・中央委員会で志位氏が行う報告は、基本的に本人が作る。 不破氏の場合も、同様。書記局や政策委員会、国際局、党建設委員会など各部局 がデータや資料を提出し、それらを参考にしながら本人がまとめ、常任幹部会、 幹部会にはかって、中央委員会総会で幹部会報告として発表されます。僕もこの 過程には何度も参加したので、こうした準備がなされていることはよく知ってい ます。この幹部会報告に対して、各中央委員から異論が出ることはありません。 ほとんどの発言が、幹部会報告を学ぶという立場からなされる。なぜなら、民主 集中制に基づく上級、下級という考え方、また幹部は優れているという考え方が 根底にあるからです。つまり上意下達、『長いものには巻かれろ』式の考え方が 体質化しているから、アンチテーゼを主張することなどあり得ないのです。以前 は、党大会であれば『中央委員会報告を支持する立場から発言します』、中央委 員会総会なら『幹部会報告を支持する立場から発言します』ということが枕詞の ように使われていました。さすがに最近はほとんどなくなりましたが、実態は同 じです。」

と書いています。
また、共産党役員の選出は、

「まず中央委員を選出し、その中から幹部会委員を選出し、その中 から常任幹部会委員を選出し、その中から委員長、書記局長、副委員長の三役を 選出するという互選方式になっています。とは言っても、最初に中央委員の候補 者を選ぶのは指導部なので、いってみれば典型的な出来レースです。指導部のお かげで中央委員になれた人と、彼らを選んであげた指導部の間に、緊張関係など 生まれるはずがありません。これを例えば、中央委員は党大会で選出するが、委 員長は複数の候補者の立候補のもとで全党員の投票で選出する、その委員長が書 記局長、政策委員長などを指名し指導部を形成する、というように変えてはどう でしょう。そうすれば、中央委員会総会は、指導部に対するチェック機能を果た すことになります。
党員の中にも誤解している人が多いのですが、委員長の選出というのは選挙に よってではありません。良く言えば党三役や常任幹部会による話し合い、悪く言 えば密室での選出です。委員長を全党員で選出した方が、より民主的で、党内外 からの透明性も高くなります。また会議での議論も、執行部を賛美するような発 言ばかりではなく、もっと活発な侃々諤々の議論になるはずです。
中央委員会総会や党大会の長い決定文書の問題もありますが、それ以上に組織の あり方そのものについても再検討する必要がある」

とも書いているのです。元幹部会員の体験をもとに書かれたものですから、 実感があります。ここに、日本共産党が民主集中制により如何に民主主義が形骸 化されているかが分かります。ここに書かれているのは常任幹部会から中央委員 会総会までですが、県委員会総会、地区委員会総会も殆ど同じであることです。 今回の大会での役員選出も同様の方法でおこなわれたのでしょう。日本共産党の 専従役員は地区委員会までヒラメになってしまっているのです。異論を言えば レッテルを張られ、除けものにされ、専従者ならいやがらせによる退職かどこか の大衆組織に放り出されて辞めさせられます。不破氏は議長を辞めてからも(議 長は現在空席)常任幹部会委員に残り、院政を執っているのです。民主集中制が 不破、志位氏などの独裁を生んでいることが、役員選出の方法からも明らかに なったと言えるのではないでしょうか。