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最近の赤旗を読んで

2010/6/28 田貫喜一 定年退職失業者

 先週、参議院選挙も近いのとのことで、23日に赤旗の集金がきました。いつ もは、カンパの話がありましたが、今回はありませんでした。
 ちょっと元気がないのが、気になります。

 最近失業中なので暇にまかせて赤旗を読んでいます。感覚的にモノを言って申 し訳ありませんが、次の点で異和感を覚えています。①不破氏の主張する「議会 の多数を得ての革命」と「現実のタコツボ型」選挙との接点が全くないように思 うこと、②たまに、現在の中国共産党を「社会主義を目指している」と評価して いること、③憲法解釈がお粗末であること、などです。

 特に、憲法解釈がお粗末なのには恐れいりました。
 記憶ベースなので、間違いがあれば指摘して頂きたいが、中国共産党習近平副 主席と天皇との会見について、宮内庁長官が天皇の健康上の配慮から「30日前 ルール」を楯に会見にインネン、いちゃもんをつけた問題で、民主党小沢幹事長 が激しく反論、志位氏は「天皇を政治利用」するものと小沢氏を批判、「30日 前ルール」を擁護するような発言していた。

 長谷川正安氏等の左翼法学の正統的解釈(天皇の政治的、思想的、慣習的影響 力を極力排除するという観点から、天皇の国事行為を必要最小限に絞る。)から 言えば、志位氏は、天皇の外国首脳との会見は、そもそも憲法違反だと主張すべ きであったと思います。
 憲法4条は、「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行 い、・・・・」
と明文で規定しており、憲法7条1項9号で「外国の大使、公使を接受するこ と」と規定してはいるが、外国首脳との会見、外国訪問、国内視察(国体、植樹 祭等々)は、憲法明文で定める国事行為ではない。

 もっとも、日本国憲法施行後、すぐさま昭和天皇は国内巡幸を行っており、憲 法学界では、天皇の行為をめぐって論争が行われてきた。 現在の憲法通説は、憲法明文で規定された国事行為以外の行為を「公的行為」と して容認する。

 憲法通説に従うのであれば、天皇の全ての行為(純粋な私的行為を除く。)は 内閣の意思に従うべきであり、宮内庁が決めたとされる「30日ルール」など、 小沢氏が主張した通り「官僚の決めた」、糞みたいなものです。内閣が決めれ ば、憲法上、即日でも、一日前でも天皇は会見に臨む必要があります。
 健康上の問題があるのであれば、皇室典範に従い摂政(現皇太子)に天皇の象 徴的権限を移管すべきです。(憲法5条)
 天皇も憲法上の国家機関です。健康上、国家機関として機能しないのであれば 当然、憲法と法律(皇室典範)に従い摂政又は国事行為の臨時代行(憲法4条2 項)を置くべきです。
 この見解は、戦前の帝国憲法の一時期の通説(美濃部達吉博士の国家法人説、 いわゆる天皇機関説)からも、出てくる結論です。
 昭和天皇は3、4年(?)の間、大正天皇の摂政を務めていた。

 この問題についての志位氏の発言はお粗末だったと思います。憲法9条、25 条の解釈は大事ですが、統治機構に関する憲法解釈も大事です。 赤旗に登場する憲法学者は、共産党執行部に講義しないのだろうか?