全く、ジリ貧ですね。3年前の440万票から356万票へ後退。
「・・党内外の方々のご意見・ご批判に真摯に耳を傾け、掘り下げた自己検討
をおこなう決意です」(7/13 赤旗常任幹部会)に期待したいと思います
が、どうですかね。
どのように「掘り下げた自己検討をおこなう」のか?
諸悪の根源、民主集中制の廃止までは至らないでしょうね。
原 仙作氏の諸論文が指摘する通り、民主集中制は日本の共産党だけではな
く、日本の左翼全体、大衆運動全体にその毒素をふりまいてきました。
共産党も日本資本主義のなかにあり、それに規定されていると思います。主観
的に日本資本主義の枠外にあって神官のごとく、託宣を下す「宗派」では大衆運
動のなかにとけ込むことはできないと思います。
様々な政治的諸潮流が生じることは、情勢、大衆運動のダイナニズムの反映だ
と思います。
ロシア革命史を通覧すれば、ロシア社会民主党が情勢、大衆運動のダイナニズ
ムを反映し頻繁に党内論争を繰り広げていたことが判ります。(詳細は、原 仙
作氏の諸論文を参照願います。)
それは、トロッキーのロシア革命史、E.H.カーのボリシェビキ革命を読ま
なくとも、ソビエト共産党のクレムリン神官が書いた無味乾燥なソ連邦共産党史
を読んでもそうです。
ソ連邦共産党史は言います。
「トロッキーは革命家と日和見主義者を一つの党内に同居させると いう、くさりきった有害な「理論」を説き、無原則的に両者を統合しようとつと めた。」(ソ連邦共産党史 203頁 ソ連邦国立政治文献出版所 日本共産党 中央委員会宣伝教育部訳1959年第1刷 大月書店)
さざ波通信に散見される「護憲共同候補」構想などは、共産党執行部にす
ればこの思いなのではないでしょうか。
そして、ソ連邦共産党史は、レーニンを引用します。
「トロッキーは下劣きわまる出世主義者、分派主義者・・」(全集 第34巻 349頁)
また、ソ連邦共産党史は、「ジノビエフ、カーメネフ、ルイコフは、レーニン
に内緒でトロッキーと取り決めをして、党に特別の害をもたらした。」(同上
203頁)と述べています。
ソ連邦共産党史によれば、10月革命で成立したレーニン政権の主要な指導者
は「下劣きわまる出世主義者、分派主義者」、「党に特別の害をもたらした」人
なのです。ちなみに、ジノビエフはコミンテルン議長、トロッキーは軍事人民委
員(国防大臣)、カーメネフは人民委員会議長(首相)(?)です。
この事実を見れば、分派禁止、民主集中制が、いかにナンセンス、空理空論で
あるかが判ります。あらゆる政治的潮流相互間、分派相互間の論争がボリシェビ
キをして政権奪取に成功した原動力だったことがソ連邦共産党史の裏から見えて
きます。決して、民主集中制が政権奪取に貢献したわけではありません。その逆
です。ボリシェビキは、日本共産党のいう民主集中制でなかったから政権を奪取
できたのです。(10月革命時のレーニンとトロッキーの合同を見よ。)
感覚的で申し訳ありませんが現共産党執行部には情勢に対するリアリズムがな
いのではと思います。
消費税増税反対!正しい。普天間基地無条件撤去!正しい。
アメリカ帝国主義とそれに従属する日本帝国主義の攻勢に対して、どのように
運動(選挙も含む。)を組み立てていくのか。
残念ながら、赤旗には共産党を強くする(それ自体は正しい。)、赤旗を増や
す(それ自体は正しい。)。
その戦術として赤旗に現れている限りではエピソード(「志位氏の演説に感動
して入党した」、「小池晃氏のTV討論に感動して赤旗を購読したいとの申し込
みがあった」)しか見えてこない。戦術がない。社民党、新社会党と合同せよと
は言いません。選挙で、共同候補を立てるべきです。
一つ、一週間くらい前の赤旗で、郵産労大会で全労協系の郵便組合との共闘、
組織統一を模索するとの記事がありました。
労働運動と足並みを揃え、選挙も共闘を模索すべきです。社民党のあれこれの
動揺、おかしな点を批判していても前に進みません。
原 仙作氏が引用されている「左翼小児病」でレーニンは、次のように述べて
いる。
「動揺的な、ふたしかな、たよりにならない、条件的な同盟者で も、手に入れる可能性を理解しないものは、マルクス主義と科学的な近代社会主 義一般をすこしも理解しないものである。」(「共産主義内の左翼主義小児病」 全集31巻58ページ)
そう、共産党常任幹部会メンバーは、まず「左翼小児病」の学習会をやるべきで す。それから、選挙総括をしても遅くはありません。
*原 仙作氏が引用されているレーニンの「左翼小児病」該当部分全文。
「力のまさっている敵に打ち勝つことは、最大限の努力を払う場合 にはじめてできることであり、かならず(「かならず」にレーニンの傍点あ り)、最も綿密に、注意深く、慎重に、たくみに、たとえどんなに小さなもので あろうと敵のあいだのあらゆる『ひび』を利用し、各国のブルジョアジーの間 や、個々の国内のブルジョアジーのいろいろなグループまたは種類の間のあらゆ る利害の対立を利用し、また大衆的な同盟者を、よしんば一時的な、動揺的な、 ふたしかな、たよりにならない、条件的な同盟者でも、手に入れる可能性を理解 しないものは、マルクス主義と科学的な近代社会主義一般をすこしも理解しない ものである。」(「共産主義内の左翼主義小児病」全集31巻58ページ)