投稿する トップページ ヘルプ

一般投稿欄

科学の目とは ほど遠い 参院選敗北後の常任幹部会声明

2010/8/4 佐井 研 50代

 4年ぶりの赤旗祭りが開催予定とのことで、不破さんが、何回目かになる特別 講演をするそうだ。そのタイトルが、これまでに引き続いて「科学の目」だと言 う。
 主観や希望的観測などにも、その時々の諸事象にも、決して振り回されること なく、冷静に、来るべき未来を確信して動じることのない態度。
 この「科学の目」というタイトルには、氏の、そんな主張が、ありありと込め られている。だが私は、この「目」に不審感を持つ。
 初投稿だが、今回は常任幹部会声明について言いたい。
 参院選の敗北の結果を受け、党は自己検討を掘り下げて行うとキッパリと宣言 し、そのため「内外のご意見ご批判を集める」とキゼンとした態度を示した。
 7月12日付、「常任幹部会声明」である。
 しかし、その声明の文脈や言葉使いに見える常任幹部という方々の、普段から 口にするキゼンともキッパリとも無縁な、その姑息さには、失望する。
 常任幹部会の声明は、一項目で挨拶と御礼、後退のお詫びの弁。二項目で「内 外の意見や批判に真摯に耳を傾け」ると述べる。しかし、すでに自己検討を始め る前から、その検討とは我田引水、党幹部の自己保身に過ぎないものであること を明かしている。
 「綱領と大会決定に立ち返り」という部分がまさにそれだ。
 これでは、正しい綱領、大会決定をちゃんと理解していないから充分に力を発 揮できず、加速を続ける議席後退に歯止めがかけられないのだ、との結論になる のは目に見えるし、せいぜい、諸活動の進め方に問題があったという程度のまと めで終わるはずだ。
 また、「昨年の総選挙で国民は自公政権を退場させ、今回は民主政権に厳しい 審判を下した。だが、自民政権に戻ることを求めたわけでもなく、自民政治に変 わる次の政治については国民は合意形成できていない」と言う。
 これも、いただけない。
 声明の三項目は国民の厳しい審判を述べる部分だが、ここでは自党は棚上げで ある。
 今回も含め延々と後退を続けている自党に対する国民の審判については口をつ ぐみ、他党への国民の厳しい審判だけは滔々と語る。
 これが如何に奇妙な論法かは、説明するまでもないのだが、ワールドカップに たとえれば、なおシックリ来るので敢えて言えば、予選で敗退したチームの監督 やコーチ陣が、ワールドカップの本選で優勝、準優勝したチームの監督やコーチ 陣に対して、その戦略や戦術のお粗末さをあげつらい、批判し、悦に浸っている ようなものだということ。
 そして、何より気分を悪くさせられるのは、遠回しながら、自党にとって気に 入らない選挙結果を出した国民を語る部分で、(共産党を前進させるような)国民 的な合意形成レベルになっていないとその政治レベルを揶揄し責任転嫁までして いることだ。
 内部の問題から党員の方々の目をそらし、中に目配りさせず、問題を外へ外へ と向けるやり方は、どのような組織であれ、幹部の自己保身のなせるワザだ。
 このように書いてくると、私が「反共」の一人と受け取られるかもしれないが、 そうではない。不破さんの言う「科学の目」とは何か、党員の皆さんにぜひ再考し て欲しいのだ。