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小沢立つべし

2010/8/20 原 仙作

 鳩山前政権は残念なことに口で言うことと比べて実行の覚悟が足りなかったのだが、菅政権の場合は一度も闘わずして自ら転ぶ変節(総選挙マニフェストの放棄)ぶりで、従米・官僚主導政治への回帰は政権交代に期待した国民への裏切りである。驚くべきことに、挙党態勢の構築さえ菅は拒否している。小沢立つべし、と訴える由縁である。

 なるほど、小沢が民主党代表選へ立つには多くの障害がある。「政治と金」の説明やら代表戦の後に出るという検察審査会の判断、反小沢・菅擁護の大手マスコミによる反小沢大キャンペーン、”つくられた”世論である世論調査に現れた反小沢世論、小沢vs菅の「ガチンコ」対決では党が割れる危うさもあるし、小沢自身の持病のこともあろう。
 しかし、政治家として最も大事なことは、日本政治史上、はじめて普通選挙で政権交代が実現した事実、その民意に最大限の敬意を払うことではないのか。すなわち、総選挙マニフェストの実行に政治家として責任を持つことである。この”使命”の前には、あらゆる障害はひたすらに克服するべき対象として把握されるべきであろう。
 党分裂の危機について言えば、菅による挙党態勢の拒否で党の分裂はすでに現実のものになっている。志を同じくする同志を立てても「小沢院政」と騒ぐであろうマスコミの悪口に戸は立てられない。「政治と金」の説明は、長期捜査のすえに検察が不起訴にした事実で潔白が証明されていると言えばよかろう。政治倫理について云々する向きには、政治家の倫理綱領は公約の実行であると主張すればいい。
 そして反小沢の世論には総選挙マニフェストの着実な実行で応えればよい。消費税増税に賛成多数だというマスコミ調査も菅政権の惨敗に帰結したほどで、庶民は馬鹿ではないし身近な問題ではマスコミのキャンペーンも効果はない。”つくられた”世論の現状は恐るるに足らずで、公約の実行で確実に変わるはずである。
 菅政権が投げ捨てた総選挙マニフェストの実行を大義に掲げ、小沢立つべし。