尖閣列島(釣魚台)の問題で討論がありましたが、その最中の11月23日北朝鮮軍が延坪島(ヨンピョンド)に向けて砲撃し、韓国軍がこれに応戦、双方に死傷者が出ると言う戦争さながらの事件がありました。これは米韓共同軍事演習が黄海で28日から行うことに対する恐怖から北朝鮮政府がおびえて「窮鼠猫を噛む」といえばいいのか軍事的冒険に走ったのだと思います。
だがこの米韓演習が行われる黄海を地図で見ればわかっていただけるように、朝鮮半島と中国河北省の間の黄海での演習の狙いは米軍による北朝鮮侵略戦争にあったのは明らかです。
横須賀基地からは原子力空母ジョージ.ワシントンも加わった大規模な演習でその演習が北朝鮮を戦時下的な緊張を呼び起こしたのです。
その後、12月3日から日米統合演習が始まり陸海空あわせて自衛隊3万4000人と米軍1万人が参加する大規模なものでした。この演習は京都の舞鶴基地に集まった日米のイージス艦が加わりました。能登半島沖を舞台に弾道ミサイルが発射された場合を想定し、日米が情報を共有しながらイージス艦に搭載した迎撃ミサイルで対処するというのが訓練です。この演習もまた北朝鮮を意識しているのは明らかです。
また石川県小松基地では、離島での防衛を想定した演習が行われました。
勿論離れ島といえば尖閣列島(釣魚台)を想定したものでこの島を拠点とした中国侵略戦争を引き起こすための演習であると私は思います。
そのニュースはいまやこのアジアにおいて朝鮮戦争が勃発する危機が迫っていることを確実なものとして予想させるのです。それがいったん始まれば、中国へと戦争は拡大することも予想され非常に危機的な状況が目の前に迫っていることを私たちは考えねばなりません。
このように一連の事実を見れば尖閣列島(釣魚台)の領有権で日本の国民を中国排外主義一色に染め上げた政府、マスコミの策動の意味がわかるのです。
アメリカの経済は今最も困難な状況にあり、工業は立ち遅れ、失業者が10パーセントに達しています。例え経済浮上のためにゼロ金利にしたとしてもその金は工業に向かうのではなく投機に流れ込むという、アメリカはばくち国家になっています。対中国貿易ですら赤字であり、中国の持つドルとアメリカの債権は日本の持つ債権とほぼ同じ額になり、アメリカ経済を左右するほどになっていることに対して朝鮮、中国にたいする戦争によって解決する以外に取るべき道がなくなっているのではないだろうか。そして北朝鮮を支配し、その支配を中国に広げアジア全域の支配をアメリカは狙っています。
アメリカが対中、対北朝鮮に戦争をするためには日本を引き連れねばならない。そのためには日本が戦争のできる体制を作らねばならない。つまり憲法9条を廃止し,自衛隊を軍隊にし、徴兵制を引かさせねばならない。このような背景が尖閣列島(釣魚台)の問題になって現れたのではないのだろうか。
然るに日本共産党の取っている態度は排外主義以外の何者でもありません。
「尖閣列島は日本固有の領土であり、「日清戦争」(1894年7月から1895年3月)以前に獲得したものである」という得たり顔の理屈はまったくの嘘であり、日清戦争の勝利を目の前にして1895年1月14日に掠め取ったものであることが明白です。このことが暴露されて日本共産党中央委員会はなんと答えるのでしょうか。
それを正当化するためにさまざまな言いぬけがありますが「盗人3分の理」のたとえを思い出します。このことが暴露されて日本共産党中央委員会はなんと答えるのでしょうか。
日本共産党は戦時下に生き延びるために、日本の戦争政策に自ら引き込まれ、排外主義に陥っていると私は弾劾します。
そして今なすべきことは日本共産党がどちらを向こうと関係なく朝鮮戦争反対、中国排外主義反対の行動であり、憲法9条を守る行動です。