2004年10月13日付け赤旗に次のような小さな記事が載りました。
「生協内部告発訴訟元副理事長ら謝罪、和解成立 大阪高裁
大阪いずみ市民生活協同組合(大阪府堺市)の男性職員ら三人が同生協元副理事 長ら二人の不正を内部告発したことを理由に懲戒解雇などの不当な処分を受けた として、二人に計千三百万円の損害賠償を求めた訴訟は十二日、元副理事長らが 謝罪して和解金計三百五十万円を支払い、大阪高裁(井土正明裁判長)で和解が 成立しました。
和解条項は、元副理事長ら二人は不適切な運営で生協を私物化したとの批判を受 けたことを反省し、三人に不利益な取り扱いを行ったことを謝罪するなどと定め ました。」
大阪いずみ市民生協の事件はこのさざ波通信にも生協人さんから投稿されまし た。
「民主集中制の実態
2003/7/29 生協人、50代、団体職員
筆坂、長崎問題に見られる「党員の不祥事」に対する党の対応は全く世間に受け 入れられるものではなく、党に対する国民の信頼を失墜させるものです。私たち が内部告発したのも党員(グループ)が公共の財産ともいえる生協財産を私物化 した「党員の不祥事」でした。
告発後すぐに生協執行部は2名を捏造した理由により懲戒解雇に、1名は解雇理 由をこじつけることができず、解雇未遂のまま15ヶ月に及ぶ長期自宅待機処分 を行いました。(1年後、不思議にもこの処分に連動して2名は除名、1名は除 籍になりました。)
私たちは不安と怒りの中、この地域では最大の労働組合(もちろん党の影響下に ある)の幹部に支援を訴えました。
「うちの労組は『あの3人は上級管理職だから労組としては関知しない』と支援 してくれません。助けてください。」「お宅の労組もおかしいな。懲戒解雇は労 働者にとって死刑宣告や。こんな無茶な処分を許すわけにはいかない。労組とし て支援するわ。」私たちは「やっぱり話してみるもんや。こんな風にして支援は 広がっていくんだ!」安堵感に包まれました。しかし2~3日後「すまん。支援 はできない」という返事がありました。
近隣の他生協労組の書記長にも電話しました。「一度話しを聞いてくれません か」「僕が君らと会って話しをするなんて、そんなことできるわけないやろ」民 主団体の幹部といわれる方も同じような対応でした。
どこからか「通達、おふれ」が回っていることを確信しました。通達を出す党も 党ですが、なぜ共産党員たるものそんなに通達に忠実になれるのでしょうか。目 の前の労働者(しかも同士~その当時は)が生活の糧を絶たれ、苦しんでいるの に、労働者を守る先頭に立つべき共産党員が、堂々と背を向けるとは・・・
自分の頭で考え、行動できないんでしょうか。これが現在の民主?集中制の実態 なんですね。」
この生協の解雇事件は、内部告発の裁判として注目され、その後の内部告発での
企業側の報復を違法とする先例となったと記憶しています。生協という団体が、
生協幹部の不正を内部告発したところ、報復的に解雇など処分をし、日本共産党
が除名や除籍の処分をしたという前代未聞の事件でした。この不当な解雇や処分
を全労連も支援しないという政党と労組が一体化した事件でもありました。
日本共産党の民主集中制が、一般社会にどう影響を与えるかを示す例でもあると
思います。その後のこの事件の経過は、生協との関係ではホームページなどで報
道されていますが、日本共産党が、生協からの処分を撤回された人々の党として
の処分を撤回したかどうか、明らかになっていないようです。どなたかご存じの
方は教えて下さい。