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新しい右翼の跳梁跋扈

2010/12/18 櫻井 智志

 きょう渋谷に異様な風景が現出しました。
女性の甲高い声で、「NHKは中国韓国のスパイ」という立て看板がならび、日の丸 が林立していました。中高年のひとたちが渡す新聞をもらったら、「桜新聞」とあ り、概要がなんとなくつかめました。

 中国漁船による日本保安庁の舟への衝突と拿捕をめぐる一連の事態や、北朝鮮によ る韓国攻撃、互いの銃撃戦、アメリカを中心とする軍事演習と、あっというまに沖縄 基地問題はふきとばされ、軍事世論がにわか仕立てでかたちづくられました。

 いまの日本は意図的な世論なるもののでっちあげに気をつけないと、国内に異様な 雰囲気が漂いはじめつつあります。

 家にもちかえりよく見たら、「桜チャンネル」「桜新聞」「全国草奔」「頑張れ日 本!全国行動委員会」会長田母神俊雄氏、文化会議議長井尻千男氏「自由と人権アジ ア連帯集会」・・・・・これらの言葉に、左翼のエネルギーが衰退してそれを右翼が 吸収したかのような「活気」。スカパーチャンネルを使った日本文化チャンネル桜。 徐々に全体像が見えてきました。
 さらに、驚くべきことは産経新聞に寄稿された原稿「中国民主化こそ日本最大の安 保」と題されたストックホルム大学教授という肩書きの池上雅子氏の文章です。 日本に大きな右翼的潮流が席巻しはじめてしだいに大きくなりつつあるのです。しか も、彼らの立場からは、中国の人権活動家でさえ援軍とみなされています。錯綜した 状況に、日本の民主主義者たちにとって、真剣に岐路を踏み固めていかないと、迷路 は幾重にも入り組んできました。