日本共産党は言うまでも有りませんが、科学的社会主義(イデオロギー)と言う“理念”を持つ政治政党です。日本共産自身の主張では議会選挙通した革命を主張して居ます。議会を通した多数を前提に政権獲得を主張して居ます。
しかし、議会では、個々人の人権が優先される民主制が前提とされて居ます。科学的社会主義と言う概念は、此の個々人の人権の優先と言う点で未だに明確かせれていません。中国共産党は共産党独裁(民主諸党派の連立と言う形を採っては居ますが。)と言っても良いでしょう。経済的には社会主義市場経済と言って居ますが、民選議会が生まれれば今一歩民主制に近づきます。
中国共産党は政権政党ですので、民主制に言級が無くても事実で判断されます。日本共産党の場合、政権獲得の意志は有るのだとは思うのですが、民主制的人権については未だ明確にされて居ない点が有ります。政権獲得した世界の共産党政権の共通課題として、民主制(既存の民主制とは限らないが。)と人権に付いて、批判されても仕方のない状況が有りました。日本共産党は此の点に付いて、より明確化される事を期待したいと思います。
日本共産党は議会多数派に成る事を、自ら拒んで居ないでしょうか。多くの国際共産党には過って政治局が有りました。此の政治局は書記局と並立して、党権力の分散化を助長して居たかも知れませんが、議会多数派を目指すには良い制度では無かったかと思います。制度には良い点と良くない点が同居するものです。議会内で多数派を組織するには、此の政治局は運用次第で力を発揮します。現実の制度は、日本共産党の理想的政策とは懸け離れて居ても、国民の利益に一歩近づけるには、政治的決定が必要な時が有る筈です。
科学的社会主義を党是として居る日本共産党は、言葉に依る詐術は避けなければ、国民の支持は得られないでしょう。国際関係.国際社会に於いて、何が個々の大衆の利益に反して居るのか、見分け判断出来ない状態では政策を誤ります。
現代を見渡すと、国際関係ではビルダーバーグ会議.アメリカに於けるCFR.三極委員会.ダボス会議等不明な集団が存在します。最終的に資本家階級を敵性階級と規定(私は異論が有るが。)しても、目前に立ちはだかる集団に立ち向わない状況は、共産党の綱領路線の誤りから発して居るものではないでしょうか。
国際的には“911事件”以来、アメリカの覇権状況は異状をきたして居ます。私の主張(多くの先賢の主張でもある。)では、アメリカの市場優先主義政策(新市場経済政策)の誤りによるドル覇権(ドル基軸通貨性)の崩壊を生み出し、石油取引のドル支払いを停止したイラクへの侵略等、国内経済を立て直す事から、戦争経済に向き直っている様に見えます。極東の火薬庫でも有る南北朝鮮間の紛争の再燃が危惧されて居ます。
小沢問題は政治資金規正法の問題では無く、日本を戦争の出来る国への政策転換させる、アメリカに依る圧力の一つであると考えて居ます。インターネットにはその様な立場から多くの指摘がなされて居ます。
日本共産党は党に付属した、社会科学研究所を備えて居ます。党のシンクタンクと考えて良いでしょう。小沢一郎の過去は私でも調査が可能です。過去、小沢は財界から多くの政治資金を獲得して来ました。しかし、企業団体献金に反対し、具体的政策を実行して来たのも彼の実績で有りましょう。
小選挙区制度導入には否定的観点も有るでしょうが、政治資金を規制する為の方法論としては価値が有った筈です。私自身は比例代表選挙方式を賛成しますが、だからこそ、共産党の議会多数は政策の推進を願う物です。
小沢一郎は日本のアメリカに依る支配状況を理解して居ます。お金に依って政治の支配が為される事に危惧を抱いて居ます。地方自治に付いても道州制に否定的です。地方に予算と権限を与えよと考えて居ます。自衛隊の海外派遣問題では国連の決定と言う歯止めを主張して居ます。これ等の政策は多くの賛同(財界人の賛同を含め。)する支持者を得て居ます。
共産党の変革を考えた時、小沢の政策は多くの参考に成る筈です。小沢一郎の個人としての政治資金集めの問題は、むしろ、自民党としてのアメリカ依存体質との絡みで理解すべきでしょう。個人としての私腹を肥やしたい為の資金集めとは異なります。個人で政治資金を集めるより、政党が受け持つ方がより良い事は私も理解出来ます。
現実問題、小沢の其の点を論うより、日本共産党の問題(科学的政党では無く哲学的政党)の方に依り問題の大きさが有る事も私は理解しております。言葉での“科学的社会主義”ではなく、実質、科学的社会主義に脱却する事を願わずにはおられません。せめて、党政治局を設置し議会多数派を求め、政権政党を目指すべきでしょう。現在の全選挙区立候補など非科学性の極みでは有りませんか。党員の経済的状況を理解して居るでしょうか。多くの党官僚の経済状況と其れへの安住状況を見て居るでしょうか。国民の党であるなら、共産党は現状変革を為すべきでしょう。現状では、小沢一郎こそ国民の英雄に成る人でしょう。日本のアメリカからの自立政策は、現代の最も信頼を於ける政治家でしょう。アメリカ軍産複合体からの報復を覚悟の政治家は他に居ますか。元党員から日本共産党の改革を願い一筆啓上。灯台守