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菅民主党政権よりは日本共産党がまだまし

2011/1/15 櫻井 智志

 菅政権が内閣を改造した。
 菅政権は、民主党による政権交代をまったくのチャラにしてしまった。 いまの現状ならば、鳩山=小沢体制による政権交代の意義は、ほとんど すっとんだ。
 政権交代前の自公政権は、ひどかった。だからこそ国民は、多くの期 待をこめて、自民党公明党を政権の座から引きずり下ろした。
 最後には、アメリカ政府と日本大企業のタッグマッチによって、大き な退行現象をおこしたが、それでも民主党内の多数派である小澤派や鳩 山派には、政権交代の時のポリシーがある。
 党内でも少数派である新自由主義グループである前原派などを糾合し た鳩山総理は、党内基盤は脆弱である。党内少数派の菅総理が、党内多 数派とは無縁なアメリカいいなり政治を続けるところから、党内紛争は 絶えない。
 政治家としてはリベラルだが、自民党首脳もつとめ、「たちあがれ日本」 のリーダーとして民主党批判も繰り返した与謝野馨氏を内閣に迎えた。 すでに自民党との連携が近くなった。元々菅総理周辺は、公明党との連立 を構想していると言われている。「たちあがれ日本」と連立をめざした経 緯からして、菅政権は共産党以外のすべての野党保守政党との連立が視界 に入っている。

 このように菅政権を眺めると、政党のなかで、まともな政治的理念や 原則を貫いているのは、共産党しかない。日本共産党内部の現状がどう あれ、客観的に共産党は、菅政権を批判し、護憲勢力を糾合してまとも な政治活動を持続するべきである。
 共産党の党内改革が、さまざまに論じられているが、求められている 課題は、国民の生存権をになう社会保障と労働権の保障を政策的に実行 する政治の改革の実行である。