菅政権が内閣を改造した。
菅政権は、民主党による政権交代をまったくのチャラにしてしまった。
いまの現状ならば、鳩山=小沢体制による政権交代の意義は、ほとんど
すっとんだ。
政権交代前の自公政権は、ひどかった。だからこそ国民は、多くの期
待をこめて、自民党公明党を政権の座から引きずり下ろした。
最後には、アメリカ政府と日本大企業のタッグマッチによって、大き
な退行現象をおこしたが、それでも民主党内の多数派である小澤派や鳩
山派には、政権交代の時のポリシーがある。
党内でも少数派である新自由主義グループである前原派などを糾合し
た鳩山総理は、党内基盤は脆弱である。党内少数派の菅総理が、党内多
数派とは無縁なアメリカいいなり政治を続けるところから、党内紛争は
絶えない。
政治家としてはリベラルだが、自民党首脳もつとめ、「たちあがれ日本」
のリーダーとして民主党批判も繰り返した与謝野馨氏を内閣に迎えた。
すでに自民党との連携が近くなった。元々菅総理周辺は、公明党との連立
を構想していると言われている。「たちあがれ日本」と連立をめざした経
緯からして、菅政権は共産党以外のすべての野党保守政党との連立が視界
に入っている。
このように菅政権を眺めると、政党のなかで、まともな政治的理念や
原則を貫いているのは、共産党しかない。日本共産党内部の現状がどう
あれ、客観的に共産党は、菅政権を批判し、護憲勢力を糾合してまとも
な政治活動を持続するべきである。
共産党の党内改革が、さまざまに論じられているが、求められている
課題は、国民の生存権をになう社会保障と労働権の保障を政策的に実行
する政治の改革の実行である。