日ソ中立条約を一方的に破棄し、すでにポツダム宣言を受諾した日本に侵略を
行ったのはソ連である。たしかに、戦前、日本帝国主義が革命政権を転覆する目
的でシベリア出兵したことは歴史的事実であり、現代に生きるわれわれも、日本
帝国主義の犯した誤りを反省しなければなりません。だからといって、その代償
として北方領土を一方的に侵略するようなスターリンの報復主義は、みとめられ
ません。付け加えて言うなら、ソ連は捕虜をシベリアに抑留し、強制労働に従事
させました、そして、無念にも帰国を果たせずに死んでいった人は37万人以上
にもおよぶのです。また、国後、択捉に住んでいた日本国民を強制的に島から排
除し、軍事占領をするような、国際法に明らかに反する行為を行ってきたので
す。このことに言及しない「ちょっと過激」さんの意見は納得できません。
第二次世界大戦の戦後処理では領土不拡大の原則が守られなければなりませ
ん。ソ連とその後のロシアはこの原則を踏みにじり、みずからの帝国主義的領土
的野心を行っているのです。「アメリカ帝国主義」よりも我が国及び現在の世界
にとって、もっとも危険な国家はロシア帝国主義国家です。ロシアの悪行は、自
国民の言論を封殺し、その資源を利用して新植民地政策をウクライナやリトアニ
ア諸国、南オセチアなどで展開しているのです。
いまや、世界の脅威は「アメリカ帝国主義」ではなく、ロシア帝国主義国家で
す。
この新たな事態にたいして、安保条約の評価もかわらなければならないでしょ
う。そして、左翼と呼ばれる、共産党、社民党の外交政策についても安保反対一
辺倒では、現在の最大の脅威である、ロシア帝国主義を見逃すことになることを
自覚する必要があるでしょう。
「ロシア帝国主義の覇権主義に反対、ロシア帝国主義打倒」のスローガンを今
こそ、世界人民が掲げなければならないスローガンなのです。