投稿する トップページ ヘルプ

一般投稿欄

共産党の原子力政策の変遷について

2011/3/22 Outsider 60代 会社員

 日本共産党は、かつて「今の原子力は危険だ。しかし、今の技術水準をそ のまま将来に延長して、原子力の潜在的な可能性まで否定すべきではない。 原子力には夢も希望もある。正しい研究開発をすれば、科学の発達は無限だ から、安全に原子力を利用できるようになる」と主張していた。
 赤旗には、はっきりと「原子力には夢も希望もある」と書いていた。

 また原水禁の「いかなる核にも絶対反対」は誤っているとして、「ソ連の 核は社会主義を防衛する核だからアメリカの核とは違う」とか「原子力発電 を禁止することは国民の間に意見の一致ができていない」とか主張して、原 水協という分裂組織を作ったことの一因とした。

 そういうことを一切無かったことにして(自分の党の歴史から抹殺して)、 今更いい子ぶって「原子力は危険だから段階的にやめる」なんて政策に変更 している。では、ちゃんと自己批判して、原水禁に合流するのか。

 私はかつて、ある原子力研究機関の党員だった。そこの党支部では、原子 力に批判的な意見を言っても「今の技術水準を将来にまで延長して可能性を 否定してはいけない」とか「未成熟技術だが、しっかり研究すれば安全にな る可能性まで否定してはいけない」という意見が大勢を占めていた。そのく せ、赤旗に時々登場する党員研究者・技術者は、商用原発の現場的知識が全 くないようだ。実際の燃料棒の構造も知らないようだ。研究用の実験装置と か小型の研究炉しか知らない。

 そもそも「未成熟技術」とはいったい何だ?? それは、原子力=成熟途 上にある技術で、努力すれば成熟する=安全になる、という本音が隠れてい る言葉に他ならない。かつてソ連を社会主義国→社会主義を目指している国、 とか中国を社会主義を目指して市場経済を取り入れている国、とか、現実と イデオロギーを一致させようとして無理な見え透いた言い換え表現を工夫し ていたことと同じだ。

 原子力=未成熟技術というのは誤っている。原子力=非成熟技術、使用不 可能エネルギー、というのが正しい。ITERなどの高温核融合だって失敗する に決まっている。

 ただし、医療用、産業用のアイソトープの製造など特殊目的の小規模な利 用は私は許容できる。