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大塩兵七郎氏へ

2011/7/24 高額所得者 医師 50代

1)私も以前投降しましたが、貴方のおっしゃるように「日本共産党は、安全な 原発追究路線から脱原発路線に転換する」のなら、過去の全原発政策も含めて国 民の前に公開し、はっきりそう宣言すべきです。頬かむりは許されません。
2)私は原発は必要悪だと思っています。世界の電力の相当部分は、原発によっ ています。原発は何も日本だけの問題ではなく、(第3世界の経済発展を考慮す るなら)「食糧エネルギー確保」は、21世紀人類の最大の課題です。化石燃料 (=火力発電)は資源に限界があり、しかも公害を起す。水力発電は自然破壊に つながるし、第一日本では今後大規模な開発は無理でしょう。何れにせよ、脱原 発を言うなら(またそうすべきだとは思いますが)「代替エネルギー」が必要で す。日本共産党は、とってつけたように「再生可能エネルギー」を訴え始めまし たが(かつてこういう主張をする人達に対しては、反科学主義と批判していまし た)、「現在の原発に匹敵する電力の安定供給・コスト」が可能になるまでには 何十年もかかることでしょう(その間どうやって電力を確保するのか)。再生可 能エネルギー自体も問題は山積みです。例をあげれば、地熱発電しようにも「日 本の火山の80%は国立公園内」です。国立公園内に、発電所を建設するのか? それこそ自然破壊ではないのか?
3)吉井氏のいわれるように、「原発の研究は継続すべき」です。果してかつて 日本共産党が主張したような「原発は未完成の技術で将来的には安全な原発は可 能である」のか、「原理的に安全な原発などあり得ないから全廃すべき」なの か、まだ結論は出ていません。原子力研究者のすべてが「国と電力会社から金を 貰った御用学者」ではありません。現に、安斎育郎氏や吉井英勝氏のような方も おられるのです。これらの人達の研究成果も、すべてご破算にしてよいのでしょ うか?将来「安全な原発などあり得ない」という結論に達したにせよ、今後の人 類科学に「かつて揚棄した原発の研究成果を他方面に活かす」べきであります。 そしてたとえ世界中が原発を全廃しても、「使用済み核燃料処理」の問題は残り ます。「安全な処理」自体未確立であり、この面での研究も今後必須です。