店頭で宮本太郎氏の『生活保障』(岩波新書)を通読した。
以前、こう記した方がいた。
最後に櫻井さんへ
櫻井さんが、消費税の増税が生活困窮する国民の生活をさらに苦しくすると主 張されるなら、政府の社会保障改革と消費税増税の議論の理論的支柱である宮本 教授の(宮本太郎『生活保障』岩波新書、2009年、800円)を読まれてか ら、政府の社会保障改革と消費税増税論を批判されれば良いのではないか?
ようやくその宿題を果たすことができると期待して読んだ。
なるほど、宮本太郎氏の所論はまっとうな論文であった。
しかし、「社会保障と消費税増税」とを結びつける論理などどこにあるのだろ
うか?
宮本氏は、社会保障をきちんと論じている。
鳩山政権が交代するまで、民主党の政権交代前後の政策は、いわば民主党左派
の中堅たちが立案したが、それは見事な政策だった。社会福祉も外交政策も。
それをぶちこわしたのが、対米従属、大資本のいいなりの菅政権で、この政権 が社会保障の充実は消費税の大幅増税が必須と言い出した。少なくとも宮本太郎 氏はそのような新自由主義的構造改革の論客ではない。むしろ社会民主主義的な まともな論客と、私には思われた。