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一般投稿欄

菅井 良さんに賛成

2011/8/21 人文学徒

 最近このサイトは、投稿者がめっきり減ってきた。力作も少ない。その理由は 間違いなくこうだろう。僕のような、この党中央幹部には愛想を尽かしたが立派 な党員を多く見知っていて日本共産党にまだ期待が残っていた人々にも、「空し さ」だけが増しているのだと。この党の客観主義哲学が、国政への主体的力の育 成に失敗し続けながら「今こそ出番だ」としゃべり続けているだけのような「戦 略」が、この原因であるのは明らかだと思う。政治とは、ただ喋ることではな く、少しでも現実を変えるために語ることなのに。
 90年代の住宅バブル崩壊・銀行整理と社会党消滅に際しても、98年の一時 を除いては何事も成し得なかった。19世紀前半の世界同時恐慌にも等しいサブ プライムバブル弾け・リーマンショックのさなかにもただ議席を減ずるだけだっ た。自民超長期政権崩壊を前にしても、最初は「同じ穴の狢」と罵るだけ、その マニュフェストの画期的部分を実現することにも何も貢献できなかった。「マ ニュフェストは口だけの空約束。同じ穴の狢に、そんなことはできるはずがない のだ」とののしるだけが政治だと考えているようだ。そしてその議席数は今や、 60年代のそれに近いはずだ。50年前の力に戻ってしまったのである。今度は しかしながら、終戦直後の開放感、希望もない沈滞と来ている。

 さて、こんな間に日本国民はどん底に陥っている。世界数位と称えられた個人 所得は今や先進諸国でどん尻の方。そして、今回の原発事故ほどこの国の惨めさ を示した事件も珍しいのではないか。これはこの欄で菅井 良さんが語った通り で、今こそ改めて、こういう論調が必要な時だと思う。
 「保安」ならぬ不安に、国民をそのどん底に落とし込んだ「原子力保安院」。 それが、「更迭」ならぬ、退職金割り増しの「辞めて頂いた」と同待遇だそう だ。彼らはあまつさえ、自己都合で「1ミリシーベルト下限を、20ミリシーベ ルトに」と、過酷な基準変更を国民に強いた上で辞めていったのだ。事故への自 己責任範囲を小さくすることになるのだから、呆れるほかはない。官僚とともに 責任がありながら、自分らの永年のこういう不始末を民主党のセイにして連立に 結びつけようというだけを戦略とするような自民党、公明党。総理になりたいば かりに、国民を観ず官僚、特に財務省に尻尾を振る民主党主流派の面々。先進国 中20何位という国民所得に落とし込んだ財務省が、菅直人総理誕生以降の最大 実力者というのだから、腸が煮えくりかえる。2大政党の拮抗争いを操って、官 僚が日本最大の特権階級を続ける狙いなのでもあろう。
 こうして、菅井さんが言うように、「苛政は虎よりも猛なり」そのものではな いか。「剛強なるは死し、仁慈なるは王たり」とは、「虞美人草」の昔から中 国、日本のノーブレスオブリージの哲学のはずだ。こういう哲学など振り返る余 地もない、超格差社会のこの日本。「貧富の世襲」も深まるばかりで、新たな身 分制度が始まったように見える。

 情勢に対する主体的力量の側面から観れば、日本共産党は、幹部全員が頭を丸 めて体制一新して出直しても、もはや支持が増えるとも思えないのは、僕だけだ ろうか。