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桜さん、ドイツの生活状況の報告ありがとうございます

2012/1/14 日本に福祉国家を

 ドイツの生活状況の報告の投稿拝見しました。ありがとうございました。

 まず、社会保険料の労使負担の割合ですが、日本は労使折半で、スウェーデン などヨーロッパの国々は使用者負担の割合が高くなっている現状ですが、逆に法 人税率は日本39.54%に対し、スウェーデン28%・ドイツ30.18%と 低い状況で、社会保険料の企業負担と法人税負担の両方を勘案すれば、日本もス ウェーデンも企業負担は同程度といえるかもしれませんね。

 それと今政府民主党が社会保険料の企業負担をなくすために、消費税増税を言 い出したと提起したのは、はじめはクマさんであり、それを丸さんが引用された ものと理解しています。私の知る限り、政府民主党が消費税を増税して社会保険 料の企業負担をなくすという動きは、一切マスコミでも報道されておらず、無い ものと理解しています。

 前回の桜さんの「財政赤字を作ったのは政治の責任」という議論ですが、今真 剣に議論しなければならない問題は、少子高齢化の進行で、高齢者一人を数少な い現役世代で支えなければならないという現実です。
 65歳以上の高齢者一人当たりの、20歳から64歳までの現役世代の人数の 関係が、1970年は現役8.5人で一人の高齢者を支えていたのが、90年で 現役5.1人で一人の高齢者を支え、2010年では現役2.6人で一人の高齢 者を支え、2030年には現役1.7人で一人の高齢者を支え、2050年では 現役1.2人で一人の高齢者を支えることとなるという現実です。(2012年 1月10日朝日新聞)
 上記のことを宮本太郎北大教授によれば、90年では胴上げ型で、今では騎馬 戦型になり、将来は肩車型に代わるという、日本の人口動態の変化を考えなけれ ばならないということです。
 別の意味では、予算上高齢者3経費(基礎年金の国負担・介護の国負担・医療 の国負担)が、1999年は3経費が8.8兆円で消費税収(国)は7.3兆円が2010 年は3経費が16.6兆円で消費税収は6.8兆円で、高齢者3経費と消費税収 の隙間が9.8兆円空き、税収不足で、それが赤字国債の発行を増やすという悪 循環になっているという現実です。(宮本太郎『弱者99%の社会』幻冬舎新書、2011年の5章の土居丈朗慶応大学助教授の報告)

 やはり高齢者向けの社会保障費が1999年は8.8兆円だったのが、 2010年には 16.6兆円まで激増し、今の社会保障の枠組みを維持すれば今後も激増するこ とは確実で、これをどうするのかということと真剣に向き合う中で、消費税論議 はなされるべきだと考えます。
 高齢者は激増するのに、若い現役世代は減少し、弱体化もしている現状をどう 打開するのかという国民的議論も必要だし、そのための財源・税制のありようも 考えなければならないでしょう。
 最近宮本教授など多くの社会保障研究者が主張する、高齢者ばかりではなく、 最近弱体化している若い現役世代を元気にする社会・社会保障のありようを検討 するのも大きな課題でしょう。

 ぜひ桜さんも、上記のような問題も踏まえながら、税制の問題もお考えいただ きたいと存じます。