1、
日本に福祉国家を氏の消費税に関する一連の投稿や、立石康行氏の一般投稿欄1月25日付投稿中の「日本でも消費税値上げが問題になっていますが、これも単に反対では、今の日本の財政状態からして、説得力に欠けると思います。」と言う見解、ひいては近年の消費税増税論一般についても多く言えることであるが、そこには一つの前提が牢固として存在しているように思われる。
その前提とは、”消費税(率)を引き上げれば税収が増える(はず)”と言うものである。
日本に福祉国家を氏、立石康行氏および多くの消費税増税(によって税収が増加すると言う前提に立っている全ての)論者にはぜひとも、今すぐにでも日本の財務省のホームページを確認してもらいたいのだが、それによると、消費税(率)を引き上げても必ずしも税収は増えないようなのである。
財務省ホームページ中のデータに従えば、日本で消費税が3パーセントから5パーセントへ引き上げられた1997年を境に、むしろ税収は大きく落ち込み、以降今日まで(2011年度については予算額、それ以前は決算額)、97年の税収水準を回復した年は一度もない。消費税率引き上げによって”消費税収は”確かに増えた。しかしその増収分を大きく上回って所得税収・法人税収が減収したため、”総額としての”税収は減り、その状態が今日に至ってもなお(実に14年間も)、基本的に継続しているのである。
以上のことから、消費税増税によって税収増を実現するためには、少なくとも次の条件のうちのいずれかが絶対に不可欠であることがわかる。
①消費税収以外の税(その他の)収入が(消費税の増収分以上に)減らないこと。または
②所得税・法人税(その他の)収入の減少を補って余りある消費税(収が見込めるだけ の消費税)率を設定すること。
上記二点についての十分な認識と考慮、いずれかの条件を確保できる見通しまたはそれを確保すための現実的・具体的な考察・提言、を欠いた消費税増税(によって税収増を図ろうとする)論は、論者個人の主観的な熱意や良心とは関係なく、その実効性において、無責任などんぶり勘定の域を出ない。少なくとも、”消費税率は上げましたが税収は減ってしまいました”という97年の喜劇的(というにはあまりに悲劇的な)事態を再び繰り返すような愚は、到底許されるものではない。
2、
さらに財務省のホームページを見ていくと、97年を境に歳出と公債発行額が大きく増大していることが分かる。97年の消費税増税以後、日本は財政再建の途からむしろますます遠のいたようである。
公債発行額が増大した要因としては、一つは、”消費税を増税したにもかかわらず引き起こされた”税収減を補うため、もう一つは歳出増に対応するため、が考えられる。次に歳出増については、急激な経済悪化を受けてのいわゆる”景気対策”による多額の財政出動が大きな要因の一つといえるだろう。このことから、消費税増税が必ずしも財政再建に直結するものではない=消費税増税を財政再建に結びつけるためには、先に見てきた①②の条件に加え、
③歳出・公債発行額が増大しないこと。もしくは
④歳出・公債発行額の増大を補って余りある消費税(収が見込めるだけの消費税)率を設定すること
という条件が必要であることがわかる。
さて、97年の急激な景気後退と、以降基本的に今日まで続くことになるデフレ不況のさらなる長期化を”(いわゆる9兆円の負担増と言われた、97年の社会保険料引き上げ、所得税特別減税廃止を含む)消費税増税のせいだ”と言うのは、いささか早計かもしれない。少なくともこの時の景気悪化の原因を消費税増税(を含む9兆円の負担増)だけに求めることは、正確さを欠くであろう。だが少なくとも、
<ア>、たとえ消費税率を引き上げても、それによる税収増加分以上の所得税・法人税減収をもたらす景気後退が起これば、せっかくの消費税増税による増収までもが無効化されてしまうこと。
<イ>、そもそも消費税(増税)それ自体が、消費支出に対していわばペナルティを課すがのごとき租税方式であり、とりわけ97年当時および現在のデフレ不況下においては、消費・内需をますます抑制・縮小させる方向に作用し、デフレ不況を悪化・長期化させる要因となるであろうことが強く懸念されること。
の二点については異論の余地はないように思われる。従って、例えば日本に福祉国家を氏のように、
「法人所得税収は企業の利益に課税される税であり、景気と企業業績に敏感に反応し、激変するものです。」
「法人所得税収は年により激変するもの」
「企業は法人税や労働コストの安い国に投資する、逆に法人税・労働コストなど高い国から安い国に生産拠点などを動かす傾向があります。」
「日本でも、世界的にも重い法人税負担が企業の生産拠点の海外移転を促進し、日本国内の雇用問題・若者の就職難を生んでいる要因の一つかもしれません。
共産党の主張のように、消費税増税に反対し、大企業と富裕層に社会保障費の増大部分を全部背負わせれば、ほとんどの日本企業が海外に流出し、日本国内の雇用情勢はより悪化するかもしれませね。」
「日本の法人税率の高さも日本企業の韓国企業への国際競争での苦戦の要因の一つとも言われています。更に、日本の大企業への負担増をすれば、国際競争で不利な日本の電機産業は競争に敗れ、斜陽産業化するかもしれないですね。
かつては日本企業が世界一の競争力を誇っていた電機産業が斜陽化すれば、多くの雇用も失われ、下請け中小企業も経営危機に陥ることでしょう。企業が斜陽化し、赤字決算を続ければ、当然法人税収はゼロとなり、いくら法人税率を引き上げても法人税収は伸びません。」(以上、一般投稿欄2012,1,28付 日本に福祉国家を 「桜さんへ「企業負担について」」より)
と、直接税(そこで取り上げられているのは主に法人税)の税収の変動性や、直接税(同)それ自体が企業動向ひいては日本の産業構造、経済動向に及ぼす否定的影響の懸念”だけ”を一面的、一方的に挙げていっても、実証的で実効性のある政策選択には繋がらないだろう。なぜなら、税収を増やす、と言う目的を、主に直接税(増税)によって目指すのか、それとも消費税(増税)によって目指すのか、を選択するためには、”両者の”税としてのそれぞれの特性や、それぞれを実施した場合に予想されるプラスマイナス双方の影響を”比較”して検証・検討しないことには、実証的で実効性のある選択は出来ないからである。
例えば、税収の変動性ということで言えば、確かに税(収)全体における消費税(収)の比率を高めれば高めるほど、所得税・法人税の変動(減少)の影響を消費税収によって吸収・緩和出来る余地は大きくなるから(それだけの消費税収を確保できる消費税率を設定できれば。先に挙げた②の”条件”も参照のこと)、税収全体の変動性も小さく出来そうである。だが、ここで消費税それ自体が持つ、消費・内需を抑制する作用、懸念についても思い出してほしい。
大企業を中心に日本企業の多国籍化も進み、以前に比べれば、日本国内市場での収益が企業収益全体に与える影響も相対的に小さくなった、とは言えよう。しかしそれでもなお、日本を代表するような多国籍化の進んだ大企業の大半も含めた多くの日本企業にとって、その企業収益が日本国内市場での収益に依然として大きく影響されていることも、我々が目の当たりにしている疑い得ない明白な事実であろう。もし消費税増税によって日本の国内市場、国内消費支出がますます縮小するならば、それは当然、企業収益の深刻な悪化をもたらさずには置かないだろう。また、企業が設備投資や技術開発に支出する分について、直接税であれば各種の控除を設定・適用をすることもより容易に出来ようが、消費税(増税)では、企業のそのような消費に対してまで、一層の抑制・縮小圧力ないし負担増をもたらす恐れがあるだろう。また、
「まず前提としていま世界の大企業は多国籍企業として国境を越え世界中で自由に活動するようになっています。そういう中で企業は法人税や労働コストの安い国に投資する、逆に法人税・労働コストなど高い国から安い国に生産拠点などを動かす傾向があります。
そういう中で、最近世界的に法人税の引き下げ競争がなされ、低い法人税率を武器に外国からの投資を呼び込み経済成長する国もあります。」
「日本でも、世界的にも重い法人税負担が企業の生産拠点の海外移転を促進し、日本国内の雇用問題・若者の就職難を生んでいる要因の一つかもしれません。
共産党の主張のように、消費税増税に反対し、大企業と富裕層に社会保障費の増大部分を全部背負わせれば、ほとんどの日本企業が海外に流出し、日本国内の雇用情勢はより悪化するかもしれませね。」(以上 日本に福祉国家を 同 より)
とあるが、企業は法人税その他の公的負担の高低だけで、移転・流出先を判断しているわけではないだろう。もしそれこそが最優先の判断基準であったならば、企業の公的負担などあって無きがごとき、統治機能の崩壊したいわゆる”破たん国家”こそが、企業の移転・流出先として最もふさわしいと言うことになるであろう。しかし、実際にはそんなことはない。日本に福祉国家を氏が挙げているものの他にも、治安状況とか、政治的・経済的・社会的安定度などを、企業は総合的に判断しているのである。その判断基準の中には、消費市場としての規模や魅力・将来性、と言うものも含まれるだろう。そういったところに生産拠点を置けば、生産から販売までをより合理的に一貫して展開出来るからである。つまり日本国内の消費市場としての規模や魅力・将来性が低下すればするほど、日本国内に生産拠点を維持する意義も低下し、ますます「日本企業が海外に流出」する一つの要因ともなるのである。そして、まさに消費税増税は、日本の消費市場としての規模や魅力・将来性を低下させる(消費・内需を一層縮小・抑制させる)方向に作用するのではないだろうか?少なくとも、日本に福祉国家を氏の見解からは、日本の消費市場としての規模や魅力・将来性や国際的価値・優位を維持し、高め、育んで行くという「産業政策」的観点はまったくうかがえない。また、これに関連して、
「桜さんは日本の輸出大企業への軽減税率の問題を述べられていますが(引用者注)、まず前提としていま世界の大企業は多国籍企業として国境を越え世界中で自由に活動するようになっています。そういう中で企業は法人税や労働コストの安い国に投資する、逆に法人税・労働コストなど高い国から安い国に生産拠点などを動かす傾向があります。
そういう中で、最近世界的に法人税の引き下げ競争がなされ、低い法人税率を武器に外国からの投資を呼び込み経済成長する国もあります。」
「韓国の法人税率は、27.5%であり、様々な輸出向け大企業への優遇措置もあるようで、日本の法人税率の高さも日本企業の韓国企業への国際競争での苦戦の要因の一つとも言われています。更に、日本の大企業への負担増をすれば、国際競争で不利な日本の電機産業は競争に敗れ、斜陽産業化するかもしれないですね。」(以上、日本に福祉国家を 同 より))
(引用者注――「日本の輸出大企業には優遇税制がなされていて、例えば2007年度のトヨタでいえば、法人税の実行税率40パーセントにして、約6300億の税金を払うところをいくつかの優遇税制で1900億は減税となっています。よく言われるように、40パーセントの税率でも大企業は30パーセントくらいだといわれる所以です。
スウェーデンでも大企業への優遇税制があるのかもしれませんが、まだ実際の数字で勉強したことがないので、実感がとぼしいです。
とりあえず、以上の点から、私はスェーデンと日本の企業負担は同じだと思いません。」 一般投稿欄2012,1,19付 桜 「企業負担の比較について スウェーデンと日本」
と、日本に福祉国家を氏は、輸出大企業への優遇を肯定的に評価ないし追認している様にも見える記述をしている。
現在、日本の輸出産業、日本企業・製品の国際競争力にとっての深刻な”足かせ”の一つに、円高がある。一方で、日本企業ひいては日本経済の外需頼み・輸出依存傾向が強まれば強まるほど、そのこと自体がより一層の円高をもたらす要因の一つとなる。輸出大企業優遇は、輸出企業・産業・製品にとっての大きな足かせの一つたる円高そのものの改善にはまったく寄与しない(むしろどちらかといえば円高を促進する方向に作用するかもしれない)。また、円高が、国際競争における日本の相対的な高コスト体質をより増長し、それが「企業の生産拠点の移転を促進し、日本国内の雇用問題・若者の就職難を生んでいる要因の一つかもしれません。」。その是正のためには、内需主導型の「産業政策」こそが必要だろう(それだけで円高問題が解決できる訳ではないにしても)。
個々の企業が目先の利益を追いがちなのは、やむをえないことである。それをより長期的なスパンや広い視野、多様な視点から補完し、時に是正するのが「産業政策」ではないのか?(輸出)大企業・産業の短期的利益を直接優遇するだけの措置は、「産業政策」というよりも、むしろ「産業政策」の役割放棄である。
以上のことから、日本に福祉国家を氏の言っていることは、ほとんどそっくり次のように言い換えることも出来るのである。
「企業は(現在、そして将来において旺盛な購買意欲・高い購買力が期待できる消費者層・市場のある)国に投資する、逆に(家計・個人消費が縮小・減退し、そのような傾向からの脱却の見通しの立たない)国から(消費市場としての成長がより期待できる)国に生産拠点などを動かす傾向があります。」
「日本でも、世界的にも重い(円高による為替レート上の)負担が企業の生産拠点の海外移転を促進し、日本国内の雇用問題・若者の就職難を生んでいる要因の一つかもしれません。
(多くの消費税増税論者)の主張のように、消費税増税(を推進して、税の応能負担原則に基づく所得再配分)に反対し、(圧倒的多数の家計・庶民)層に社会保障費の増大部分を全部背負わせれば、(内需・個人消費の一層の縮小・減退、それに伴う日本経済・企業の外需・輸出依存傾向の強まりと円高のますますの促進によって)ほとんどの日本企業が海外に流出し、日本国内の雇用情勢はより悪化するかもしれませね。」
「日本の(円)の高さも日本企業の韓国企業への国際競争での苦戦の要因の一つとも言われています。更に、(消費税増税と大企業・富裕層優遇で所得再配分機能を縮小・低下させて家計・庶民の購買力・内需を抑制・縮小し、日本企業・経済が外需・輸出に依存せざるをえない状態に追いやることで、円高傾向により一層拍車を掛け)日本の大企業への負担増をすれば、国際競争で不利な日本の電機産業は競争に敗れ、斜陽産業化するかもしれないですね。
かつては日本企業が世界一の競争力を誇っていた電機産業が斜陽化すれば、多くの雇用も失われ、下請け中小企業も経営危機に陥ることでしょう。企業が斜陽化し、赤字決算を続ければ、当然法人税収はゼロとなり、いくら法人税率を引き上げても法人税収は伸びません。」
「(多くの消費税増税論者に)は、日本の産業をどのように発展させるのかという産業政策がなく、負担はすべて(日本経済の主力たる内需、とりわけその中でも最も大きな比率を占めている家計・個人消費を担う庶民)にという(内需、家計・個人消費、庶民)いじめでは、日本の産業をつぶし、雇用も減らし、法人税収も結果的に減らすこととなるのではないでしょうか。」(以上、()がついているのが言葉を挿入・置き換えた箇所。その他は 日本に福祉国家を 同 からの引用)
もっとも、一連の引用の引用元である日本に福祉国家を氏の投稿は、「企業負担につて」というあらかじめ課題を限定したものであったから、そのせいで一面的な言及の仕方にとどまっているのかもしれない(注)。だから、日本に福祉国家を氏個人の主張がどうこうということではなく、問題は、このような一面的、一方的な主張や理解からだけで、直接税を選択肢から除外して消費税増税を唱えることであり、消費税増税を進めることである。そのような形で進められる消費税増税は、到底まともな検証を経たものとは言いがたく、税収増・財政再建・財源確保という目的を達成する上で、なんらの実効性も示しえないものであり、企業間国際競争の激化や生産拠点・雇用の海外流出の問題、「日本の産業をどのように発展させるのかという産業政策」に関する、直接税に対しての消費税の優位を示すなんらの根拠にもなりえない。むしろ日本の経済と国家財政を一層危険な状態に追い込む恐れさえある、とさえ言えよう。
(注)、
そのように理解するとしても、日本に福祉国家を氏の次の主張には合理的な説明がつかない。
「日本共産党は、日本の産業をどのように発展させるのかという産業政策がなく、負担は全て大企業にという大企業いじめでは、日本の産業をつぶし、雇用も減らし、法人税収も結果的に減らすことになるのではないでしょうか。」
依然、内需が最も大きな割合を占める日本経済において、「日本の産業を」内需主導で、とりわけ内需のうちでも最も大きな比率を占める家計・個人消費主導で「発展させる」――――そのために、所得再配分(応能負担原則に基づく税制見直しによって確保した財源による社会保障の維持・充実)、労働法制・労働者保護強化(労働時間短縮で雇用・余暇時間を増やす、最低賃金引き上げ等で可処分所得を増やす)、中小零細業者・地場産業の支援と保護・育成(地域・地方経済の活性化)、等々こそが重要だ――――と言うのは、「産業政策」ないし「産業政策」と言い得るものである。そして、日本共産党が言っていることはそういうことである。それを、「産業政策」として不十分である、とか、「産業政策」として間違っている、と言うのならともかく、「産業政策がな」い、と言う日本に福祉国家を氏の主張は、事実に基づかず、事実に反し、論理的整合性も無い主張である。日本に福祉国家を氏には猛省と真摯な自己批判を促したい。
3、
消費税増税を主張することそれ自体は、尊重されるべき一つの見解ないし信念であろう。しかしながら、消費税増税論者各位においては、”消費税を上げれば何とかなるんじゃない?”と言った軽いノリや、”消費税増税すれば何とかなる(はず)!”と言った根拠のあやふやな特攻精神的必勝の信念や、”消費税を上げるより他に、もはや我々には一刻の猶予も選択の余地もない(気がする)”と言った漠然とした強迫観念的不安感・焦燥感から、日本全体を巻き込もうとすることだけはくれぐれも慎んでいただきたいと切に願う。一度立ち止まって、私がここまで書いてきて様なこと(税収増という目的を達成し得るものなのか?その目的を達成する上で、どのような条件が満たされる必要があるのか?等々)につて、十分に検討し、それを踏まえた上での主張を、改めてしていただきたい。
あるいは立石康行氏のように、消費税の持つ逆進性という欠陥について十分に認識し、なおかつそれへの対策についても併せて提起し、しかもその対策について「煩雑になる等の批判」が出ることについてまで留意している(一般投稿欄2011,1,25付 立石康行 「消費税増税」参照)のなら、「今の日本の財政状態」(立石 同 参照)への対処として、消費税増税を必ずしも優先・前提としなくとも、応能負担原則に基づいて(累進課税、各種控除、課税最低限の設定等を活用しつつ、所得税、法人税、個人金融資産・企業内部保留課税等々の)直接税増税による対処をまずは優先的に検討、実施することに、なんら不都合は無いものと思われる。そして、「今の日本の財政状態」への対処として、消費税の優先順位付けを直接税よりも後回しにしたとしても、それは別段、立石氏の言われるところの(「消費税値上げ」に)「単に反対」すること(立石 同 参照)、には当たらないであろう。また、消費税(増税)が本来持つ問題・欠陥を認識するならば、「消費税値上げ」に「単に反対」することの問題・弊害は、直接税による対処を十分検討・実施し尽くした上で初めて、現実的に生じる問題・弊害となるのではなかろうか。
むしろ、直接税による「今の日本の財政状態」への対処を除外して、そもそも問題多き消費税の増税を優先・自明視する主張・趨勢こそ、現時点においてはより問題・弊害が大きいのではないかと私は考える。