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データで検証 日本の企業負担は8%(約40兆円)か12,5%(62,5兆円)か

2012/2/4 大方等

 福祉国家をさんから08年度の日本の法人の租税社会保障負担の合計額は 対GDP比で12,5%(以下負担率と略称)である、とのデータが提出されました。
 それによれば、日本の企業の負担率はスエーデンやフランスよりは低いが、 ドイツやイギリスや米国よりも重いのだそうです。

 本当にその通りなら、歓迎すべきことではありましょう。
しかし、そうでしょうか?

 なるほど、法人税収は景気によって大きく変動する部分はあるでしょう。
しかし、07年の対GDP比8%40兆が08年には突然62,5兆円に増えたのでしょうか?
 (日本のGDPは概ねこの17,8年間500兆円のままなので、500兆円で換算)

 福祉国家をさんは、桜さんが提出した、07年の企業の負担率8%を否定して いるわけではありませんので、07年はその8%40兆円は正しいとして、08年は 激増して12,5%62,5兆円に増えた、と主張していることになります。
 そして、かくも大きく年によって激変しているものなのだ、ということなのでしょうか?

 4%、22,5兆円もの激増ですよ。
 ちょっと、信じがたい主張をされているように思えてなりません。 私もデータの引用ミスをしましたが、これは、福祉国家をさんの引用ミスではないで しょうか?

 なにしろ、22,5兆円も一気に翌年に増えた、というのですから。
 それでは、07年、08年付近のGDPと税収のデータを見てみましょう。

    GDPの変動         一般会計租税・印紙収入
 06   510兆9380億円    49兆691億円
 07   515兆6510億円    51兆182億円
 08   494兆1990億円    46兆4290億円

 となっており、どこをどう見ても、突然22,5兆円も増えた、などという形跡が 見られません。
 (日本国勢図会10~11年版 p99、p375 より引用。)

 確か、リーマンショックを受けて、軒並み経済指標が悪化していった頃じゃないですかね?
08年はGDPを見ても前年比約4%の減少ですし、税収はそれ以上に約10%減少しています。

 おそらく、法人税収もGDPのマイナス4%以上の割合で減少し、さらに、社会保障負担費も、減少していったんじゃないでしょうか?

 それが、前年比突然対GDP比4,5%・22,5兆円も激増したのですか?
 そんなこと、まず ありえないことと思いますが。

 データを再度ご確認されることをお勧めします。

(おそらく、欧米諸国は対GDP比、日本のみ対国民所得比で比較したもの??
それなら、351兆5220億円の12,5%=43,9兆円で、07年の41、3兆円からそう大きくかけ離れないですけど)