福祉国家をさんから08年度の日本の法人の租税社会保障負担の合計額は
対GDP比で12,5%(以下負担率と略称)である、とのデータが提出されました。
それによれば、日本の企業の負担率はスエーデンやフランスよりは低いが、
ドイツやイギリスや米国よりも重いのだそうです。
本当にその通りなら、歓迎すべきことではありましょう。
しかし、そうでしょうか?
なるほど、法人税収は景気によって大きく変動する部分はあるでしょう。
しかし、07年の対GDP比8%40兆が08年には突然62,5兆円に増えたのでしょうか?
(日本のGDPは概ねこの17,8年間500兆円のままなので、500兆円で換算)
福祉国家をさんは、桜さんが提出した、07年の企業の負担率8%を否定して
いるわけではありませんので、07年はその8%40兆円は正しいとして、08年は
激増して12,5%62,5兆円に増えた、と主張していることになります。
そして、かくも大きく年によって激変しているものなのだ、ということなのでしょうか?
4%、22,5兆円もの激増ですよ。
ちょっと、信じがたい主張をされているように思えてなりません。
私もデータの引用ミスをしましたが、これは、福祉国家をさんの引用ミスではないで
しょうか?
なにしろ、22,5兆円も一気に翌年に増えた、というのですから。
それでは、07年、08年付近のGDPと税収のデータを見てみましょう。
GDPの変動 一般会計租税・印紙収入
06 510兆9380億円 49兆691億円
07 515兆6510億円 51兆182億円
08 494兆1990億円 46兆4290億円
となっており、どこをどう見ても、突然22,5兆円も増えた、などという形跡が
見られません。
(日本国勢図会10~11年版 p99、p375 より引用。)
確か、リーマンショックを受けて、軒並み経済指標が悪化していった頃じゃないですかね?
08年はGDPを見ても前年比約4%の減少ですし、税収はそれ以上に約10%減少しています。
おそらく、法人税収もGDPのマイナス4%以上の割合で減少し、さらに、社会保障負担費も、減少していったんじゃないでしょうか?
それが、前年比突然対GDP比4,5%・22,5兆円も激増したのですか?
そんなこと、まず ありえないことと思いますが。
データを再度ご確認されることをお勧めします。
(おそらく、欧米諸国は対GDP比、日本のみ対国民所得比で比較したもの??
それなら、351兆5220億円の12,5%=43,9兆円で、07年の41、3兆円からそう大きくかけ離れないですけど)