赤旗の論説、カイロ(特派員はシリアにも行かず、アルアラビア、アルゼジー
ラを見て記事を書く怠け者。両TVとも今は米国の手先)、ロンドンからの記事
を読むと日本共産党がここまで堕落したかと呆れてしまう。沖縄問題では米国を
非難するが、国際問題では、米帝およびEUにべったりと寄り添う。
先ず、シリアの国内情勢を論じよう。アサド大統領は国民の圧倒的支持を得て
いる。クエート(反シリアの最先鋒)ファウンデーションの最近の調査では支持率
65%、種々な調査では最高約80%、また筆者の得たシリア人達からの情報でも
80%。アルジェンチン、キューバ、ベネズエラのTVテレスルの放送でも、アサ
ド大統領は圧倒的な支持とされており、今度のロシア、中国の拒否権行使を感謝
するダマスカスのデモでは大勢のシリア人がアサドの写真と共に、ロシア、中国
に感謝のプラカードを掲げている。ヨーロッパ、アメリカの評論家等も、アサド
反対のグループは、外部(トルコ、フランス、英国、アメリカ等)から資金、武器
の供与を受けていると述べている。CNNの放送でも、反対派が対戦車砲等を用
いているシーンがあった。また犠牲者5000人以上と言うUNの数字も、アサド政
権の武力行使のみによると言われるが、それは真っ赤な嘘。シリア軍兵士の犠牲
者も2000人とも言われる。最近フランスの記者がシリアで死亡したが、これは自
業自得。彼はダマスカスで反アサドの人々を探したが、見つからず、ホムスに行
き、そこでも反アサド派を探した。しかし人々の要求はテロリスト(フランス等
の支持する)から守ってくれとのことだった。彼は、フランス2TVの記者とし
てデマを放送するのが使命だった。しかし目的達成の前に彼の支持するテロリス
トのライフルから打ち出された手榴弾で死亡。これは彼の死亡の数分前に彼と話
した記者による。ダマスカスのカソリック修道院の長マーザー・アグネス・マリ
アムによれば、シリアには大多数の善良な市民と少数の盗賊、テロリストがい
る、と述べている。
またシリアのアサド大統領は憲法改正、民主化を進めている。要約すれば、シ
リアは米国、ヨーロッパ帝国主義とシリア国民、それを支持するロシア、中国、
中南米、インド等の戦場である。
さてロシア、中国の拒否権行使であるが、EUとアラブの一部が出した決議案
の最初の案はアサド大統領の退陣、それを受け入れなければ、必要な(非特定)処
置と言うウものであった。インドの国連大使はロシアのTVのインタビューで、
リビアに対する1973号決議案のEU,米国の曲解、悪用以来、「必要な処置」は侵
略戦争の合言葉となったと述べている。
ロシア、中国の強力な反対のため、一部変更があったが、アサド政権に対する
要求のみが強力に表に出、武装反対勢力(テロリスト)に対する要求が詳細に欠
け、一方的な内容であった。そのためにロシア、中国はシリアに平和をもたらす
ものでないと判断し拒否権行使となった。日本のマスコミはこのような背景を述
べず、赤旗に至ってはクリントンの悪意に満ちた言明を引用、米国国務省のマウ
スピースとなっている。赤旗を見れば世界が見えるとは??? 赤旗を読めば、
親米と成る、と言ったほうがよい。
最後に、現在のリビア情勢について、一言。ベンガジ等でもガダッフィ反対派
が仲間割れし、武器を用いて戦いだした。また親ガダッフィ派が一部の都市を制
圧した。また国境無き医師団がリビアから撤退した。理由は現政権の拷問の凄さ
である。拷問中の囚人を医師団のところに連れて帰、拷問できるまで回復させ、
連れ戻し、また拷問にかける。囚人が意識を失うと、医師団のところに連れて
帰、治療させる。これに抗議して医師団は撤退した。またアルカイダ等のテロリ
スト集団が活躍し、一部はシリアに送られている。リビアは元々部族国家であ
り、それを統治できる人がいなくなった。