A. (政党としての共産党は議員数が少ないだけでなく選挙費用が他党派に比べ て一桁少ない)共産党は日刊紙・日曜版・その他パンフレット・書籍を出版・配 送しているので、それらを込めるといかにも他党派より規模が大きいように見え るが最重要な選挙費用は極端に少ない。例えば北関東のある市長選挙では総選挙 費用をたったの200万円未満で戦ったことがある。自民党などの保守候補は 2000万円は使っているだろう。私は自民党の選挙を金も人も身近に見て知っ ているので、この問題の重要性を指摘したい。これでは供託金没収の10%未満 の有効得票数しか取れないのが良く理解できる。党中央の出版物や新聞にのる10 年15年の経済統計やらは他紙や他党には出来ない調査研究によるものでこれがあ るから日刊紙の購読が止められない。その日刊紙を3400円と朝日・読売・毎 日の3007円より高くしたのは日刊紙の採算が月に2億円の赤字を出している からだという。日経の3568円よりちょっと安いだけである。新聞発行市場に おける自分の立ち位置をはっきり自覚して決めた価格なのか。市場間メカニズム を本当に理解し利用できているのかな。
B. (選挙では党員・支持者・読者に事前ビラを撒かせるが事前ビラより電話投 票依頼のほうが有権者に効果的といわれているのにビラまきだけで疲れてしまい 電話投票依頼がまったく出来ていない)他党派や他候補は地縁・血縁・同窓会・ ありとあらゆる関係を動員して投票依頼をする。その上に電話投票依頼をやるか ら票が出てくる。町内会の私の友人は言う、「投票してくれ」といわれなければ 共産党候補に自動的に投票するいわれはないと。民主党は連合組合員を多数持っ ているのでビラまきなんかちゃんちゃらほいと出来るが、彼らの重視しているの はマスコミ操作、組織ぐるみ選挙、電話投票依頼。共産党も政党助成金を獲得し てその金で事前ビラをまき、専従党員、平党員支持者で電話投票依頼を民主 党並みに一度はやってみるべきだ。一地方ででもいいから実験してみてほしい。 事前ビラはまかなければならないが、時間がかかる割には効果は1000枚に 2,3枚と業者間では評価されている。被害者意識の漂うようなマスコミ批判を やめ、マスコミをもっと上手に取り込むことをやればビラまきなどはやらないで 電話投票依頼がもっと出来るはずだ。
C.(多数派獲得は今までのやり方では成功しない)政権に参加しても選挙で敗れ れば下野することを1960年代から公言している。一党独裁を取らないと公言 している。革命には政治革命と社会革命があろうがどちらの革命を望んでいても 国民が真に何をどのようにすることを望んでいるのかを足でみっちり学習するほ かはない。政党助成金の年間320億円に得票率4%としても12億円にはな る。5000万家庭に事前ビラを新聞折込として二回織り込んでも5000万 X10円で5億円で実施できる。一方、地方都市では一人の党員さんが3000枚 とか少なくても500枚とか配っている。ある時、いかにも頭脳明晰な青年に地 区委員会建物でであったことがある。リュックサックにビラをたんまり詰め込んで いる。なんと3000枚も詰め込んで、仕事のない夜に3日かけて配るのだとい う。こういう行為を党中央は革命的ロマンチシズムとか言って褒め上げる。しか し、これはウィーナーが心配した人間の非人間的使い方・生き方とはいえないだ ろうか。共産党は全組織員が常にもっと良い活動形態、もっと良い政策の実施、 もっと国民に理解されためになる組織を目指さないとマルクスもエンゲルスも満 足しないのではないか。ビラまきは現在ではもっとも能率の悪い選挙活動であ る。選挙前の日ごろの人間関係・信頼感と地方選挙・国政選挙それぞれに応じた 一言対話活動や電話投票依頼活動が現在では重要である。インターネット選挙が 解禁されればインターネット選挙技術向上に全力を傾ける必要がある。
D. (政党助成金を受け取って日々前進せよ)政党助成金を受け取れば選挙の結 果や選挙の仕方の上手・下手が政党助成金の増減によりはっきりする。今までの 選挙ではなんだかんだと屁理屈をつけて選挙負けを公認しなかった。前回の参議 院選挙では1970以降初めて、負けた選挙での負けを日刊紙で公認できた。 やっと、志位委員長の効果が現れたとでも言うべきか。宮本顕治は東大経済学部 卒とはいえむしろ文学者タイプ、不破哲三氏はいかにも物理学者タイプで声明文 を作ってコトタリタという活動スタイルに見えた。志位氏は東大工学部卒、共産 党に必要なのは科学的社会主義でなくて技術的民主主義であろう。綱領でも日本 における民主主義革命を目指すと公言しているではないか。民主集中制は止め た方がいい。民主主義革命が成功した時、そのときの共産党の良い面も悪い面も 政権運営にすべて現れる。悪い面は日々改善しないと国民に申し訳ない。