赤旗の主張ではユーロと欧州連合を混合、錯誤し、少なくともマルクス主義を主
張する党としてはあまりにも恥ずかしい。例えば、「ギリシャ危機克服には欧州
が統合の基本に立ち戻り、協力強化を基礎に…」と述べている。ユーロ圏は現在(欧州連合加盟全27か国中)加盟国17国で、EUとは別個の組織である。ユーロ通貨はフィアット通貨としても
通貨の基本条件を備えていない。即ち、加盟国のいずれもフィスカル・ポリシー
を発現することが出来ず、フルな機能を有する中央銀行も存在しない。ユーロ圏
危機にも手を打つことが出来ない。全て希望的(詐欺的)観測に基づく一時しのぎ
的処方をするのみである。EUの頭の空な政治家が自分たちの政治的、金銭上の
利益のためにユーロの瀕死状態を引き伸ばす政策を取っている。ドル、円、ポン
ド、ルーブルでは少なくともそれぞれの中央銀行(但し、米国の連銀(FRB)は
大銀行の集団で、国のものではない、JFケネディーはそれを改革しようとし、
財務省をFRBを置き換える機関とし、銀本位制を導入しようとし、その半年後
にダラスで暗殺されたが、その後ろで手を引いたのは大銀行群であるとも伝えら
れている)はあらゆる政策を取ることが可能である。
赤旗の主張は何も知らない素人が、生半可の知識で書いたもの。
さてギリシャ問題であるが、米国金融機関ゴールドマンサックスが後ろで手を引
き、ギリシャの政府の帳簿を改ざんし、ユーロ圏に加入を可能にした歴史があ
る。現在のギリシャ政府は選挙で選ばれたものではなく、EUが元ゴールドマン
サックスのパパデモスを連れてき、首相とした。(これはイタリアでも同じ、イ
タリア首相も選挙で選ばれた物でなく、ゴールドマンサックス出身。) 完全な
金融機関支配である。緊縮政策はあくまでも博打を打ち損した大金融機関(フラ
ンスのソシエテゼネラル、BNP、ドイツのドイツ銀行、英国のバークレイ等)
の救済である。国民は極度の貧窮化を強いられ、ギリシャ正教では認められない
自殺者数が大きく増大している。緊縮政策は全てのユーロ圏では限界に達してい
る。緊縮財政は経済を停滞させる効果のみである。
ここでドイツの役割であるが、ユーロ唯一の勝者としてヨーロッパに君臨しよう
としているが、これも不可能である。理由は簡単明瞭。ドイツは日本と違い貿易
立国である。日本のGDPあたりの輸出割合は19%であるが、ドイツは約50%近
く、その主な輸出先はヨーロッパで輸出の90%は他のヨーロッパ諸国であるが、
全て金融危機の真っ只中である。即ち、ドイツの自動車等を買う力が喪失してい
る。またドイツは日本と違い、テクノロジーでは遅れている。日本人はドイツに
対し、正確な認識をしていない。
ドイツの役割であるが、メルケルは、勿論ドイツの金融資本のスペキュレーショ
ン損失救済であるが、国民の前ではそのような発言は出来ない。国民にはユーロ
諸国救済には金は出せないと言い、大銀行にはその損失救済を約束する。所謂ダ
ブルトークである。
赤旗主張では、最後に「ユーロ危機を乗り越える上でも、統合に向けた協力のあ
り方が問われる。」と述べているがこれもユーロとEUの理解の混乱と思われる。
ユーロは始めから間違った実験で、ユーロ導入に一役買ったプロディもそれを認
めている。経済水準、文化、習慣、言語等の違った国をひとつの通貨の下にまと
めることは出来ない。
さてユーロとは違うが、赤旗の今日の主張につき一言
シリア問題については相変わらず、ヨーロッパ、アメリカ帝国主義の片棒担ぎで
ある。
ロシアからの報道では、100人以上のフランス兵がシリアのホムスで捕虜になっ
たと伝えられた。サルコジはフランス帝国主義をシリアにも広げよう
として、シリアに関与している。シリア反対派は、極端なイスラミスト、アルカ
イダ、またヨーロッパの帝国主義者の混合であり、シリア民主化とは縁もゆかり
も無い。それを帝国主義国の主張を支持し、シリアそしてロシア、中国を非難す
るとは。共産党の変節を非難せざるを得ない。