投稿する トップページ ヘルプとなります。（１９９５年の例。現在でもおおよそ５０％くらい）
なぜ、対国民所得なのか、と言いますとGDPには、施設や建築物などの分配不可能な物も生産物として含まれるからだそうです。
（それらは、減価償却の対象になります。）
つまり、国民所得が分配可能な原資ということになります。
所得と、言う観点から見ると、国民総所得がGDPとほぼ同じ数値になりますが。
国民所得は国民総所得のおおよそ７０％ですから、対国民所得比は約７３％となるわけです。
（スエーデンの例。この比率は各国で多少違ってきますが）
つまり、スエーデンの場合は、ジニ指数０，４９と、当初所得分配ではかなり著しい格差社会なのですが、二次分配では、その分配可能な原資の総額の７３％を徴税して、再分配することで、ジニ指数を０，２３に大きく改善しているのです。
再度確認しますが、分配可能な原資の総額である国民所得の（当初分配後に）７３％を徴税することで、それを、社会保障・福祉及び教育という形で、その７３％のうちかなりの部分を再分配に回しているのです。
スエーデンの場合は、その社会保障給付費は、９５年当時で、４６，２％となっています。
一方、同年の日本は１７，４％です。 その差はざっと２９％にものぼります。
（これには教育支出の差は含まれていません。）
データを示しましょう。 （日本は９６年当時）
租税負担率 社会保障負担率 総負担率 社会保障給付率
日本、 ２３，０％ １３，２％ ３６，３％ １７，４％
スエーデン ５１，０％ ２２，２％ ７３，２％ ４６，２％
以上、９５年当時（少々データは古いですが）のデータです。
当時の日本のGDPは現在とほぼ同じ５００兆円ですから、金額ベースで表すと、 ９６年の対GDP比は日本２８，４％の１４２兆円に対し、スエーデンは５２％の ２６０兆円で、１１８兆円もの大増税体制であることが分かります。
７３，２対５２で換算すると、GDPの７１％が国民所得ですし（スエーデン）、同じく
３６，３対２８，４で換算すると、GDPの７８％が国民所得であった（日本）ことが
分かります。
そこで、金額ベースで表しますと、
租税負担額 社会保障負担額 総負担額 給付費
日本 ８９，７兆円 ５１，５兆円兆円 １４１，２兆円 ５８，９兆円
スエーデン
１８１兆円 ７８，１兆円 ２５９，１兆円 １６４兆円
であり、社会保障給付額で、１０５兆円もの大差があったのです。
さらに、これに、教育費は大学院まで全額無償であり、さらに手厚い
奨学制度で、基本的に、１８歳で親から自立するという制度まであります。
（教育支出の差）
クマさんが、社会的に自立できない人々に対して福祉制度が構築され、、、
しかし、スエーデンには福祉に相当する適当な訳語が存在せず、スエーデン
からやってきた講師の理解を得るのに苦労した、、、
という話しをされていますが、彼らは、社会的に自立
できない、弱者への救済措置、などとそもそも考えておらず、そもそも、高校
を卒業すれば、誰でももれなく「自立」を果たすのが当たり前で、そのための
政策構築はそもそも、弱者救済でもなんでもないから、「社会政策」と呼んで
いるというわけでしょう。
その「社会政策」では、障碍者などの社会的弱者への給付はもちろん、 実情にあわせて、より手厚い給付となっているに過ぎない、と言うわけです。
社会保障・福祉（彼らは社会政策と呼ぶそうですが）はまずもって、健常者の 自立にこそ存在する、、というわけでしょう。
さて、以上、対国民所得比（一国の分配可能な総原資の）７３％を徴税する、と
いうデータと、ジニ指数が当初分配の０，４９から０，２３に著しく改善している
ということ
（日本よりも富裕層＝概ね資本家からはるかにより多く徴税し貧困層にはるかに
より大きく分配給付している）
をしっかり頭に入れた上で、再度、他板の自称「革命的共産主義者」氏
の
資本家階級が投げ与えたほんのわずかのおこぼれを、やれ、福祉だ、社会保障 だと、有難がって、まるで、貧困が消滅するかの如く論じることが、福祉国家論であ る。
という勇ましい主張を諸兄にご考察をお願いします。
ほんのわずかなおこぼれ？？資本家が投げ与えている？？
私には、反動的反革命的な資本家賛美論にしか聞こえないのですが。
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