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「福祉論争の盲点」

2012/3/29 はと 70代 無職

 福祉の金はどこから出ているのでしょうか。それは資本家が与えてくれて いるものだろうか。
 それでは資本家なるものはなぜ与える金があるのだろうか。資本家が持ってい る、生産手段は労働者からの搾取を蓄積してきたから以外にあろうはずがないで はありませんか。労働者は生産手段を持っていないから資本家に労働力を売る以 外に生存できない。しかし、生産手段、工場や機械、材料はそれ自体で何の利潤 も生まないのです。資本を投資するその中身は加工する商品と労働力なのです が、労働力の生産手段への働きかけが剰余価値を生み出し、それが資本家の利潤 になる。その利潤をもとの投資額に積み上げてまた投資する。このようなことが 繰り返されて大資本へと発展していきます。
 だから最初に投資した資本以外に資本家は何もないのですし、些細なその投資 は最初の段階で資本家は消費しているので、資本家なるものは本来何も生産して いないのです。言い換えるならば工場も、土地も、機械も、原材料も資本家の所 有であることはただ搾取以外になく、彼らに属するものは本来何もない、寄生虫 なのです。資本家はびた一文福利に金を出していません。
 福祉の金は労働者と人民からの搾取以外のどこからも出ていないので、資本家 が労働者に与えたものではないのです。それどころか福祉と言う名目の税金では ないですか。年金も、健康保険も、介護保険も労働者が剰余価値を搾取されたま だその上に料金を給料から差し引かれ、その金を資本家の利潤に回されているの です。
 日本が福祉国家であるとまるで理想化する考え方には、労働者階級に対する資 本の搾取を隠蔽するものでしかないのです。
 福祉論の華々しい対決にはこの視点が欠落しています。