投稿する トップページ ヘルプ

一般投稿欄

ジニ指数改善率48%・ベルギーの参考例

2012/4/5 スカンジナビアン

残念ながら、スエーデンの改善率53%の比較実例がありませんので、 その代りにベルギーの改善率48%の比較実例を示します。

 95年 ベルギー

 当初分配(一次分配)  再分配(二次分配)後
   0,53             0,27
 そこで、比較のための実例を示しましょう。

日本の実情に例えてみるために、日本のGDP500兆円 を用いて、その国民所得(GDP=国民総所得から減価償却分=損耗分 を差し引いた部分。 1国の分配可能な総原資)を考えてそれを実額で 当てはめてみました。

 国民所得としては、95年当時の日本の国民所得はGDPの約78%でし たが、今現在は約70%内外であり、95年当時のスエーデンもGDPの71% ですので、おおよそ70%とし、実額で350兆円と計算しています。

 つまり、分配の総原資を350兆円として計算してみました。 (なお、実際の分配の総原資は約300兆円ではないか、というデータも ありますが、ここでは、便宜的に国民所得の350兆円を使用しました。)

   ジニ指数0,536 09年 タイ

 最高分位 58,6%  205,1兆円
 第4分位 19,1%   66,8兆円
 第3分位 11,4%   40、0兆円
 第2分位  7,0%   24,5兆円
 最低分位 3,9%   13,7兆円

   08年ウクライナ ジニ指数 0,275

 最高分位  36,8%  128,8兆円
 第4分位  22,4%    78兆円
 第3分位  17,8%    62,3兆円
 第2分位  13,7%    48,0兆円
 最低分位  9,3%     32,6兆円

 (以上、世界国勢図会 22年度版 p448
 グラフからの読み取り値のため、多少の誤差が あります。)
 上記は、あくまで参考例に過ぎませんが、おおよその 傾向・イメージがつかめるかと思います。

 それでは、上記2国を各分位ごとに+-の%と実額を 当てはめてみましょう。

 最高分位 -21,8% -76,7兆円
 第4分位  +3,2% +11,2兆円
 第3分位  +6,3% +22,3兆円
 第4分位  +6,7% +23,5兆円
 最低分位  +5,4% +18,9兆円

 これは、あくまでも、異なる2国間の比較ですから、ベルギー の実際とは異なるでしょうが、おおよそのイメージ・傾向をつかむ ための参考例です。

 イメージしやすくするために、日本のGDP500兆円に当てはめたわけです。 (実際には国民所得350兆円を当てはめました。)
 グラフからの読み取り値ですので少し誤差があります。

 では、改善率22%の日本はどうでしょうか?
 95年当時の日本のジニ指数

 当初分配(一次分配)時 再分配(二次分配)後
  0,34             0,27

 そこで、ジニ指数0,34の08年ポーランドの例を示しましょう。

 最高分位 41,8% 146、3兆円
 第4分位 22,1% 77,4兆円
 第3分位 16,4% 57,4兆円
 第2分位 12,0% 42,0兆円
 最低分位 7,7%  27,0兆円

 このジニ指数0,34のポーランドとジニ指数0,27のウクライナの 2国間の所得を分位ごとに+-の%と実額で比較してみましょう。

 最高分位 -5% -17,9兆円
 第4分位 +0,3% +0,6兆円
 第3分位 +1,4% +4,9兆円
 第2分位 +1,7% +6、0兆円
 最低分位 +1,6% +5,6兆円

 以上、計算上は多少の誤差がありますが、おおよその傾向をイメージ できるのではないでしょうか。

 日本の社会保障・福祉及び教育投資がいかに貧弱であるかが、よく分かります。

 スエーデンの場合は95年当時で改善率53%でベルギーの48%よりも、もっと 改善率が高いのですから、富裕層から貧困層への富の再分配(二次分配)が強力に 実行されていることがイメージできると思います。

 なお、教育に対する公的投資(公的支出)額の対GDP比のデータがありますので、示します。

  日本 3,4% スエーデン 6,7% その差3,3% 実額 16,5兆円
(実額は日本のGDP500兆円に当てはめた。08年度)
 以上、世界国勢図会22年版 p457~459より