はとさんの御指摘はおおよそその通りだと思います。
私も、学生時代にはいっぱしのマルクス・レーニンボーイ
を気取ってましたので、そうした視点・知識はもちろん、
あります。
おっしゃる通りです。
社会保障・福祉(教育支出も)の原資は資本主義社会における、剰余価値の
搾取にその起源があります。 おおまかに言ってそういうことになるでしょう。
改めて、丁寧なレスにお礼申し上げます。
しかし、現実には、資本家が国家権力をも用いて、その富を占有しています。
それが現状です。
さて、そこで、では、誰がそうした富を再分配などと言って与えているのか? これが、非常に重要なのだと思います。
はとさんの御指摘では、とりもなおさずそれは資本家階級である、というこ とになります。
では、どうして資本家階級はわざわざそんなことをするのでしょうか?
私は、ベルギーの95年度のジニ指数0,53から0,27への改善率48%の
実例から、08年の実際のジニ指数0,536のタイと0,275ウクライナの実例
を取り上げ、その富がどのように移動しているのかのおおよそのイメージを示し
ましたので、参考にしてください。
(イメージという言い方をする理由は、ベルギーの国内データではなく、他国の
2国間の比較データだからです。 ですので、おおよそのイメージということです。
残念ながら、私はベルギーやスエーデンの国内データを持っておりませんので。)
それによれば、
最高分位 (資本家階級とその周囲層が主たる構成でしょう)
は、-76,7兆円を再分配に回していることになります。
つまり、最高分位から77兆円程度を取り出して、第4分位以下に
再分配している、というイメージでしょうか。
(それでも、なお、128兆円(36,8%)を占有しているというイメージ
ですが。)
スエーデンの場合は改善率53%で、もっと、強力に富の再分配を
実行しているわけですし、現在の直近のジニ指数は23~5程度です。
(95年当時とあまり変わらない)
一方ジニ指数改善率22%の日本の場合は、08年のウクライナと の比較によるイメージでは最高分位層からわずかに17,9兆円を取り 出して再分配しているにすぎません。
その差はおおよそ59兆円です。 改善率の差は48%と22%で、26%
ですから、1%あたり、2,27兆円でしょうか。
(こういう計算が成り立つかどうかはわかりませんが)
そうすると、改善率を48%から53%に5%上げるには、76,7兆円に 11,3兆円をさらに、上積みして、88兆円を最高分位層から取り出して再分配 することになります。
こうした計算が成り立つとするなら、スエーデンの場合はさらに、、11,3兆 円多く、最高分位205,1兆円から88兆円を取り出して再分配に回してい る、と言うことになります。
再分配後の最高分位の占有額は205,1兆円・占有率58,6%から 117、1兆円・占有率33,5%ということに成ります。
20%ずつの5階層区分ですから、平均は占有率20%と言うことになりますので、最高分位は平均の、1,68倍程度と言うことです。
もっと厳密に調査するなら、10%ずつの10階層や5%ずつの20階層の区分で しょうが、そうしたデータは残念ながら持ち合わせておりませんのでわかりません。
なお、参考に用いたジニ指数0,275のウクライナの例では最低分位と最高分位 との倍数は3,95倍です。
これをもとに、さらに、11,3兆円を最高分位から取り出して、他の4階層に平等に分けたとすると、最低分位は占有率9,3%・32、6兆円から、占有率10、1%・35、4兆円になる計算ですから、最低分位対最高分位との倍率は約、3,3倍ということになります。
当初分配では最低分位対最高分位の倍率は約、15倍ですから、かなりの改善率と 成るわけです。
これがスエーデンのジニ指数改善率53%のイメージです。
さて、こうした富の再分配をはたして「資本家階級」が「与えている」ものなのでしょうか?
私には、そうした認識は勇ましくも革命的な言辞には聞こえるけれども、その実態は、資本主義体制のもとでの、資本家階級賛美・美化論にしか聞こえないのです。
資本家階級というものはかくも気前が良いのだ!!と聞こえてしまうのです。
つまり、エセ左翼の反革命的言辞にすぎないものと感じてしまうのです。
「誰が」「与えている」のか??国家権力への理解と革命路線が絡む非常に重要な 設問であると私は感じております。