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7月6日反原発再稼働反対官邸前抗議行動

2012/7/7 櫻井智志

 6.29官邸前の抗議行動に五万人以上の人々が集まった。それまで無視し続けた大手マスコミは、テレビ各社もニュースアワーの時間帯で大きく伝えた。次の週の金曜日、 気象予報は東京都内も雨。私は当日に行くことを決めて、出かけた。
 NHKは、この日の様子をホームページで以下のように伝えた。

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 原子力発電所に反対する団体などが毎週金曜日を中心に実施している抗議活動が、東京の総理大臣官邸前で行われ、参加者は、5日に発電を始めた福井県にある関西電力大飯原発の3号機を止めるよう訴えました。
 この抗議活動は、関東地方を中心に原発に反対する活動をしている団体などが、ことし3月下旬から毎週金曜日を中心に総理大臣官邸前で実施しています。
抗議活動は、6日午後6時から始まり、参加者は、5日に発電を開始した大飯原発3号機について、「原発はいらない」などののぼりを掲げて停止するよう訴えました。

 抗議活動を主催した団体などは、今回も、ツイッターやインターネット、それに、口コミで参加を呼びかけていて、会場には、会社帰りのサラリーマンや子ども連れの主婦などの姿も見られました。

 福島県から長男と参加した41歳の母親は、「あれほど悲惨な原発事故を起こしておきながら、何もなかったかのような政府の対応に憤りを感じる。子どもたちのためにも考え直してもらいたい」と話していました。
また八王子市の65歳の女性は「福島県浪江町に住む友人が原発事故で故郷を追い出され、今も避難生活に苦しんでいる。節電に精いっぱい取り組むので、原発は2度と動かさないでほしい」と話していました。

 野田総理大臣は、6日夜、総理大臣官邸で、記者団に対し、総理大臣官邸前で行われている、関西電力・大飯原子力発電所の3号機の停止を訴える抗議活動について、「多くの声、さまざまな声が届いています」と述べました。
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 私は六時開会の一時間以上前に地下鉄国会議事堂前駅に着いた。あらかじめ、国会議事堂前は混雑するから、ひとつ先の霞ヶ関駅で降りたほうがよいことは聞いていた。しかし、四時台なら、自分の選択で道順を歩けると考えていた。しかし、その思いは甘かった。

 はじめから、出口4番だけを使うように、コースを限定してカラーコーンで他に行けないように出口までずっと期制が厳密にされていた。地上に出ても、歩道からおりないように、警察だけでなく、主宰者誘導係が警察と呼応して、何度も何度も注意を促していた。

 メーリングリストの情報で、主催者と警察との連携を批判する投稿が続き、実地におもむいて自分の目で確かめようと想っていた。警察と主催者が呼応して集会を運営するかたちとなっていた。参加者は何度も舗道に出て当然という要求をしていたし、警察もひとによっては、もうすこし待ってから車道の一部を開放するとか、7時過ぎには、道路を解放するから、と叫ぶ警官もいた。

 かなり雨が降り続け、私は七時半頃に同じ地下鉄駅を降りたが、いまだ階段に期制され、のぼりおりももっと厳密な期制下にあり、片側の階段の側にあるトイレによると、私服の警官が男女トイレにそれぞれ男女の警官が危険防止と監視のためか待機という状態であった。

 外出中のテレビ朝日の夕方17:00~19:00台のニュース枠で、放送された動画がある。短いが、その時の様子が伝わる。
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/220706035.html

 官邸前の「原発再稼働反対!!」のシュプレヒコールは、雨模様の霞ヶ関の夜空にこだまする。国会前の会館の屋上からは、カメラが林立して下を撮っている。再稼働反対のシュプレヒコールのあいまに車道の道路脇のマイクを使った短い演説も聞こえる。
社民党の福島瑞穂さんのあいさつ、福島の母親、そしてよびかけ。他にも国会議員をみかけた。前回の田中康夫さん、国民新党元代表の亀井静香さん。音楽家の坂本龍一さんは、大飯原発の抗議行動の太鼓とかけ声のシュプレヒコールのリズムに感激して、それをテーマに作曲した。この日も音楽家というよりひとりの市民として参加していた。

 総理官邸前の抗議行動は、原発再稼働を「即時的には」阻止できていない。けれど、何回も続くなかで、国民世論に大きなうねりをよびおこしつつある。この抗議行動自体が持続して何度も続くこと自体が、世論への効果と、政党への影響も与えつつある。

 前に、原子力基本法に「安保に資する」という項目の唐突な追加を批判した。野田分裂「民主党」内閣は、自民党公明党との三党合意で重要政策をいくつか決めた。七月七日の七夕の朝刊は、野田総理が自ら議長を務める国家戦略会議が「集団的自衛権容認」を盛り、分科会が提言したことを伝えた。

 原発再稼働、沖縄にオスプレイ配備容認、集団的自衛権提起と、あいつぐ野田政権の政策は、自民党公明党政権時代と奇妙な接続性をもちはじめた。アメリカ政府が特に強く要望していないことまで、先走りして「これでどうですか?」という女衒政治を突っ走っている。アメリカ政府に言うべきことも言わないで、完全に相手にもされないような政治を続けている。アメリカ政府に相手にもされず軽くあしらわれている野田政権は、自らが責任を負う国民の強い要求を歯牙にもかけないような強行突破を続けている。

 対案は、国民ひとりひとりの生き方の中にしかない。
官邸前に行くことも、集会で抗議することもそれぞれの選択の内容である。
自宅にいることも、報道で間接的に知ることも選択の内容である。
あきらめずに、
じっと政治を凝視しつづけていることが、すべての基盤にある。