田村さん
私はこのさざ波通信にはじめのころから出たり遠ざかったりして.いるもので
す。菅井と申します。
田村さんの文章に触れて述べさせてもらいます。
まず、キューバについては、その社会主義について、日本では評価はあまりに
低すぎると思ってきました。キューバ革命は、スターリン批判の後のは じめて
の革命で、中国やソ連とは段階を画した新しい革命だったと思います。社会主義
諸国の経済連関がソ連解体以降絶たれた中で、キューバが現状の 厳しさを直視
し、全国民に伝え訴えて、討議し、革命の成果を守るために節約と工夫で困難に
立ち向かったことはおっしゃる通りで、朝鮮のような対応 と比べるとすばらし
いと感じます。ドキュメンタリーを見たことがありますが、大学の教授が失職し
て家庭菜園をやることになり、不幸ともいえます が、その人がきちんと状況に
立ち向かっている姿は立派だと思ったことがあります。世代間の断絶もそれほど
ないのは、この結果かと思いまし た。
これからはカストロ以後ということで新たな問題も起こるでしょうが、今の中
南米のアメリカからの自立的な姿は、キューバの模範があったればこそ と思い
ます。
社会主義は失敗して霧散したのではなく、キューバに生きていると見るべきな
のではないかと思ったりしています。
日本共産党とは立場を分かっていますが、武井昭夫さんらの「思想運動」とい
う雑誌には、キューバ共産党の情報がある程度のるので、読み、参考に させて
もらっています。ご存知でしょうか。
小沢氏については、彼への裁判は、フランスのドレフュス事件のような、日本
なら大逆事件のような政治弾圧だと思います。彼が政権交代を実現した こと
で、諸民の利益を擁護する政治の最前線に立ったからです。共産党の小沢氏評価
がまちがっているのは原さんのおっしゃってきたとおりです。しか し、反原発
運動には、共産党は積極的に協力していますから、民自公などの翼賛側に運動が
篭絡されてしまわず、小沢氏も、永田町の中から諸民の側に もっと入っていく
なら、両者の連携は現実的可能性を帯びてくるのではと思っています。
今の反原発運動は、既存の運動の発展として生じているというよりは、3.11以
降の日本の危機を契機に、格差社会化した日本の保守的消費社会の 文化から直
接に立ち上がってきているので、困難もあると思いますが、脱原発と反戦の実現
が日本自滅とファシズム化に対抗する唯一の道だと思ってい ます。
とりあえずは、そういう方向に向かって、各自、各組織ができることをやって いく、というような流れを生み出せればよいと願っていま す。
田村さんのご意見をさらにお聞きできれば嬉しいです。