わが町では来月市長選挙がある。今朝の新聞報道では、突然女性の新人が立候補するそうだ。「元気な○○をつくる会」に推されて、無所属で立候補し、これを共産党が推薦するそうだ。彼女は私のすぐ近所に住んでいるので、その経歴はよく知っている。もう50年間共産党員を続け、今71歳である。毎日赤旗の配達と集金に飛び回っているのを見かける。そんな人物がなぜ無所属なのか、「元気な○○をつくる会」とはどんな会か、素朴に疑問に思ったので、共産党の市議会議員をする人物に問い合わせてみた。すると、この会は1月に出来たばかりで、代表者はこの市議会議員、活動はまだ何もしていない。政策はこれから作るが、現市長との対立点は「疑惑の解明」、「公平・公正な市政」だそうだ。明らかに共産党は、政策より先に、「とにかく立候補」を優先したと思える。それも無所属を売り物にすれば、浮動票が集まると読んだのだろう。単に参議院選挙での票集めのための、「共産党員を無所属として立候補させるための会」だったのか。
彼女は50年の殆どを京都、大阪で過ごし、その間、劇団員や保険の外交員を生業にしていた。自治体関係の仕事の経験はなく、インターネットさえ扱えない。50年間、盆・正月にも帰省したことがなく、3年前に亭主の失業を期に突然親の実家に帰ってきた。「緑豊かなふるさとに住みたい」などとコメントしているが、いかにも芝居じみている。この町で一体、何をしようというのか、いや、できるのか、さっぱり伝わってこない。
素人が政治をしてはいけないというのではない。いやしくも市長になるのなら、まず地元の農業や漁業、さらに自治体の現場に入り、今何が政治に求められているかを市民と共に学ぶ活動を実践してからのことだろう。それが「国民に溶け込む」ということだ。かつての共産党ならそうしただろう。以前この市にもそうした共産党議員がおり、いつも高位当選していた。
共産党よ、一体どうしたのだ。選挙での敗北、党勢力の衰退から、なんとしても今度の参議院選挙で票を増やしたいために、こんなことをしているのか?しかし、形だけの「○○相談会」とか「○○をつくる会」を立ち上げても、たちまち足元を見透かされることが理解できないのか? 国民を馬鹿にしてはいけない。
共産党が衰退してしまった理由は、ここに如実に表れている。反共攻撃やマスコミのせいではない。いつも国民より高い位置から(自ら学ぶことなく)党中央の方針を宣べ伝え、赤旗を読ませれば支持が自動的に拡がるという思い上がりに国民はうんざりしているのだ。